・スタディ!
・第4話 想いを伝えて



 年が明けて1月の夜の、もうすぐ10時になろうかとする頃。美穂が自室にこもって、机に向かい一生懸命何かを書いている。時々鉛筆をあごに当てては何かを考え、そして再び書いていく。
「……うぅん。……やっぱり、違うよ……」
 ひとり言をつぶやきながら、薄いイエローの便せんに文字を書いては消し、書いては消しを繰り返す。頬は少しだけ赤く染まり、なにか恥ずかしそうな表情もしている。
「なんだか、……勉強するのよりも難しいよ……」
 そうつぶやいたとき、ノックの音が響く。
「美穂ー。起きてるの?」
 ノックのあとに、扉を少し開けて母親が顔を出す。美穂が、少し慌てながら机の上を整理する。
「な、なに?」
「お母さん明日早いから、もう寝るわね。それと、出張で帰るのも遅くなるからよろしくね」
「う、うん。わかった」
「じゃあ、美穂も寝なさいよ。おやすみ」
「うん。おやすみなさい」
 母親が扉を閉めたあと、美穂がふぅ、と息をつく。そして、再び便せんに鉛筆を走らせる。
「……こんな風で、……いいのかな?」
 しばらくすると美穂が少し不安げな表情で鉛筆を置く。そして、思いを込めるように丁寧に折りたたみ、女の子らしいかわいい封筒へと入れる。
「……ラブレターなんて書くの初めてだから、……わかんないよ」
 その封筒をそっと胸に合わせ、美穂はそうつぶやく。美穂が書いていたもの。それは紛れも無く、自分の大好きな、籠原先生へのラブレターだった。
 つい3日ほど前。クラスの女子の中で、少々衝撃的なニュースが流れた。ある女子が割と人気のある男子に告白し成功したという、年頃の女の子にとっては胸を躍らせるようなニュースだった。それを聞いた美穂は、否が応でも気持ちが高ぶってくる。「自分も両思いになりたい」という願望が、一段と強くなった。
 そして、この3日間。ずっと思い悩んでいた。自分の想いを伝えたい。先生に、少しでも自分のことを伝えたい。だから、生まれて初めてラブレターというものを書く決心が付いた。母親は勉強をしていたように見えたのだろうが、実際は一枚の便せんと2時間以上も向かい合っていた。思い悩み、自分の心と真剣に向かい合い、自分の想いを出来る限りその文章に書き記した。美穂の、精一杯の表現。
「……あした、……いつ渡せばいいんだろう。……でも、チャンスがあったら」
 先生に渡したいのだから、下駄箱に入れるなんていう事は出来ない。第一、この学校は下駄箱がむき出しなのだ。そんな大胆なことをやる生徒は、……過去に数名居たらしいが……。
 となると、やっぱり直接渡すしかない。渡した後は、恥ずかしくってもう何も手がつけられないんじゃないかと思う。けれど、チャンスがあれば、朝であろうが渡さなければいけない。先生もびっくりするだろうけど、美穂にとっては、自分の想いをはっきり伝えておきたいのだ。
「……せんせいに、……通じますように」
 その手紙をもう一度胸に合わせ、美穂は眠りに付いた。


 翌日。いつもどおりの学校生活が始まる。だけれど、美穂はちょっと落ち着かない。本人は心を落ち着けようとしているのだけれど、それが逆に落ち着かない気持ちを表しているのだ。
(なんか、……今日の竹浦は微妙に変だな……)
 以前から美穂のことが気になって気になってしょうがない和弥も、美穂のちょっと落ち着きがない雰囲気に気が付いていた。おそらく、美穂のことをなんでもないただの生徒だと思っていれば気が付かなかったかもしれない。けれど和弥自身も、美穂のことが好きだと自覚しているのだ。
(なにかあるのかな……?)
 和弥はとりあえずそう思って、普段どおりの授業を進めた。けれど、すぐにその理由を和弥は知ることになった。
 2時間目の授業が終わり、ほんの少しだけ長い休み時間。3・4時間目は移動教室で、クラスの生徒は一時的に和弥の手から離れる。和弥は、とりあえず職員室へ行こう教室を出た。それを、美穂は見逃さなかった。
 昨日の夜、一生懸命書いた手紙をポケットにそっとしのばせ、すぐに和弥のあとを追いかける。
「せ、……せんせい」
 ほんの少しの勇気を出し、和弥を呼び止める。いつもは普通に呼び止めることが出来たはずなのに、今はたったそれだけのことでも躊躇してしまいそうになる。
「ん? どうした、竹浦」
 和弥もすぐに立ち止まり、美穂のほうを向く。その顔が何か不安げな、躊躇しているような表情なのに気付く。
「そ、その……」
 一瞬ためらってしまう気持ち。勇気を出して手紙を渡しても、その想いが通じなかったら、自分の恋は終わりになってしまう。ここで自分の心から逃げてしまえば、今までどおりの片思いが続けられる。不安と想いが交錯する。けれど勇気を出して、その手紙を渡す。
「これ……。あ、あとで、……読んでください」
 声が震えそうなのをこらえながらその手紙を渡し、美穂はさっと逃げ出してしまう。勇気を振り絞ったけれど、その場にいるのが、手紙を渡した和弥と向かい合っているのがどうしても恥ずかしくて、駆け足で教室へと戻ってしまった。
「え……、あ……」
 和弥は突然のことで、何がなんだかわからない。けれど、その手紙が何か重要なことを伝えるものであるのは、もう気が付いていた。
(竹浦から、手紙……。それに、あんな顔を赤くして、すぐに逃げてって……)
 あんまり長くない人生だけれど、割と昔からもてた和弥は、数度そういう目にあったことがある。それと、ほとんど一緒。だからその手紙は、職員室なんかで堂々と読めるものじゃないとわかっていた。
 和弥はその手紙をスーツの内ポケットに大事にしまうと一旦職員室へ行って必要なものを取って、3時間目が始まってから再び教室へと戻った。
(……さて、と……)
 教室の自分のデスクに座り、ふうと一息つく。周りのクラスは授業中だけれど、移動教室なのでこの教室は誰も居ない。かすかに、隣のクラスで授業をする声が聞こえてくる程度で、シーンとしている。
「……なんか、緊張するな」
 そうつぶやいて手紙を取り出す。自分自身が気になっている、むしろはっきり恋をしていると自覚している美穂から、手紙をもらった。それも、あんな渡し方をされたのだから、何か緊張してくる。
 割となんでもない手紙かもしれないとは思いながらも、かわいらしい封筒に入った薄いイエローの便せんを取り出す。和弥の気持ちも、だんだんドキドキとしてくる。
「……」
 その手紙を開いた瞬間に、その手紙はなんでもない手紙ではない事がはっきりとわかった。美穂の想いがいっぱいに詰まった手紙。何度も消したような跡がうっすらと残っているその手紙を、和弥は一字一句飛ばさずに読む。
(竹浦……)
 和弥の心が不思議と落ち着きを取り戻し、その手紙の文面に集中して行く。他の教室ではまじめに授業をしているのに、和弥だけ何か違うことをしているのはちょっとだけ気が引けたが、この手紙は、どうしても今読まないといけない気がしたのだ。
 一度読み終わっても、何度も何度も読み返す。美穂の想いを感じるうちに、和弥は自分自身の気持ちとも素直に向き合って行く。この気持ちに、自分はどう答えたらいいのか。
(同じ、だったんだな……。オレも、竹浦も……)
 美穂の気持ちと、自分の気持ち。その気持ちにしっかりと向かい合う。美穂に対して自分が抱いている気持ち。偽ってはいけない、自分自身の気持ち。
(そうだよな……。この気持ちには、……素直にならないといけないよな)
 手紙を丁寧に封筒に収めると、それを内ポケットに大切に入れる。そして、その内ポケットのある胸に手を当てて、和弥もひとつの決心をする。乗り越えなければいけない障害はたくさんあるけれど、美穂の気持ちをしっかりと受け止めなければならないと。
 気持ちを伝えるのは、しっかりとした時間を取ったほうがいい。だから、放課後に適当な用事を作って美穂を呼ぶことにする。給食の時間が終わってちょっと経った昼休み。美穂がちょうどひとりになった隙を見て、声をかける。
「あ、竹浦」
「は、……はい」
 昼休みに呼ばれて、ドキッとする美穂。少し緊張気味の美穂の顔を見ながら、和弥はいつもどおりに言う。
「今日の放課後、ちょっと残れるか?」
「え、あ、……はい。……大丈夫です」
「じゃあ、ホームルーム終わったら職員室来てくれるか? 荷物、持って来ていいから」
「はい、……わかりました」
 それだけを伝え、和弥はいつものように振舞う。きっと、美穂の前では自分の顔も緊張してたんだろうなと思う。和弥も美穂も、ほんの少しの不安と浮き足立ちそうな気持ちを抑えながら、午後の授業をいつものように終えた。
 そして放課後。互いに、妙な緊張感と不安の中過ごした1日。帰りのホームルームを終えると、和弥はさっと職員室に引き上げる。美穂も、教室で少しだけ時間を置いて、ちょっと緊張気味に職員室へと向かった。
 ホームルームが終わって少ししか経っていないため、まだ先生の数もまばらな職員室。いつものように机に向かっている和弥に、美穂は平静を装って声をかける。
「せんせい、……あの」
「ん……。そんじゃ、ちょっと行こうか」
 いつも生徒を手伝わせる時のように、荷物を和弥の机の下に置かせて、ふたりで場所を移動する。職員室の中でも、あくまで和弥はいつもどおり事務的に受け答えする。でも、それがいつもよりも事務的過ぎるから、和弥自身もすごく緊張しているのだ。
 校内のいろんな部屋や倉庫のカギが入っているキーボックスからひとつカギを取り出し、音楽室や家庭科室が並ぶ隣の校舎へとふたりで歩く。その間、互いに無言。どちらも心臓は大きく高鳴って、ドキドキしている。
 少し古びた校舎の2階。廊下を突き当たったところにある、昔の教室に壁を作ってふたつに区切った倉庫。印刷用の紙なんかが所狭しと置いてある部屋に、ふたりで入る。
 大切な話をするのに、人が来るのはちょっとまずい。ここだと人が来る事はめったにないし、つい最近生徒に手伝ってもらって印刷室に紙を補充したので、大丈夫だろうと和弥は思いここにしたのだ。先生の中で一番年下の和弥がいろんな雑務を受け持っているし、先生の中にはここの場所を知らない人もいるんじゃないだろうか。それに、隣の部屋はガラクタしか置いていない倉庫なので、人が入ってくることもない。非常に、都合がいい場所なのだ。
 カーテンの隙間から光が入って、電気をつけないでも部屋の中はある程度明るい。ふたりが部屋に入って扉を閉め、とりあえずカギを掛けた。あまり広くない部屋に、ふたりっきり。いやでも、気持ちが高ぶってしまう。
 少し開いていたカーテンの隙間を気にして和弥が閉じると、ふたりが相対する。
「手紙、ありがとな……」
 ほんの少しだけの沈黙のあと、和弥から口を開く。和弥も少し緊張気味で、声が震えそうになる。
「ちょっと、びっくりしたけど、……うれしかったよ」
 その言葉を、美穂は少し不安げな、緊張した面持ちで聞く。けれど、視線は和弥から逸らさず、まっすぐに見つめている。
「竹浦も……、オレと同じような気持ちだったんだなぁってわかって、すごくうれしかった」
「え……」
 美穂から、驚いたような声が出る。
「せ、……せんせいも、ですか……?」
 えっ、という表情をしながら言う美穂。この恋は難しいと思っていた美穂にとっては、予想外の言葉。先生から、どんな言葉で諭され、諦めるよう言われるんだろうという不安でいっぱいだったからだ。
「うん……。だからさ、……先生もその気持ちに素直になろうかなって」
 照れ隠しに、少し笑いながら言う和弥。でも、その気持ちに偽りはない。すっと息を吸い込んで、美穂が出してくれた精一杯の勇気を、和弥も出す。
「先生も、竹浦のことが好きだ。……だから先生からも、お付き合いして、……くれるか?」
 素直な自分の気持ちを、美穂に告白する。今まで受け身でしかなかった和弥の恋。その人生の中で好きな人への、初めての告白。
「せんせい……」
 美穂がそうつぶやき、瞳が潤む。
「あ、……ありがとう、ございます……」
 感動で今にも泣いてしまいそうな表情で、美穂がぺこりと頭を下げる。そんな美穂を見て、和弥も想いがこみ上げてくる。
「美穂……。……おいで」
 和弥から初めて名前で呼ばれ、手を広げられる。美穂もたまらず、その腕の中へと飛び込む。
「せんせい……、せんせい……。わたし、……うれしいです」
 名前で呼ばれるような関係になれたんだと感じ、うれしくて、幸せで、胸がいっぱいになる。ぎゅっと抱きつく美穂を、和弥はそっと抱き寄せる。
「美穂、……ほら、泣かない。せっかくかわいい顔が、台無しになっちゃうぞ」
 優しく頭を撫でながら、その小さなからだを抱擁する。こんなに小さくて細いからだに、いっぱいの想いを込めて自分へと向かってくれた。それを考えると、和弥はものすごくうれしくなった。
「せんせい……、えへへ……」
 和弥の顔を見上げ、指でこぼれそうだった涙をぬぐう。美穂の、満面の笑顔。その笑顔を見て、和弥も幸福感でいっぱいになってくる。優しく抱き寄せたまま、そっと頭を撫でる。
「……せんせい」
 美穂の頭を撫でていると幸せな気持ちでいっぱいになり、なんだか少しずつ、さっきとは違ったドキドキした感じが出てくる。美穂もそれを感じたらしく、頬を染めて少しうっとりとした表情で、和弥の顔を見つめる。
「……美穂。目……、閉じて」
 目線を美穂と同じ位置まで下ろすと、美穂もちょっと背伸びをして瞳を閉じる。そして、再び優しく抱き寄せながら、唇をそっと合わせる。
「……」
「……」
 しばらく触れ合っていた唇が離れると、美穂はそっと目を開ける。そして、顔を紅潮させて、にこっと笑う。
「せんせい、……わたし、……うれしいです」
「……ファーストキス、……だった?」
 美穂は顔を赤くしたまま、こくんとうなずく。
「美穂、大好きだよ」
「わたしも、大好きです。せんせい……」
 再び唇が重なり合う。互いの気持ちが通じ合い、こうやって、心と気持ちが通じ合っている。ふたりの間に、幸せな空気が流れて行く。
「美穂。……先生と生徒って言う関係で、いっぱい大変なことあると思うけど、……ずっと守ってあげるからな」
「わたしも、……せんせいとずっと一緒に居たいですから……。がんばります」
「しばらくは、ふたりだけの秘密、だぞ」
「はい、……内緒です、ね……」
 ふたりでくすっと笑い、もう一度きゅっと抱きしめあう。互いに心地よさそうな顔で、しばらく抱き合っていた。
「……せんせい。……お願いしたいことがあるんですけど、……いいですか?」
「なに? 先生に出来ることなら、何でもいいよ」
「……わたし、……せんせいの事、もっとよく知りたいです。それに、せんせいにも、私のこともっとよく知って欲しいんです」
 美穂がそう言った瞬間、和弥の頭の中にまさか、という気持ちがよぎる。
「……美穂?」
「せんせいに、授業だけじゃなくて、……いろんな事教えて欲しいんです」
 和弥の顔を見上げ、精一杯の想いを込めて言う。美穂の、何かを決心しているような表情。
「だから、……わたしの初めて、せんせいに……」
 一瞬の躊躇が、和弥の頭の中をよぎる。けれども、それはすぐに捨て去った。美穂を、ずっと守って行くことを心に決めたのだから。
「今日、わたし、お母さん帰ってくるの遅いんです……。だから、……せんせい」
「……あぁ、わかった。美穂……」
 美穂をそっと抱き寄せて、頭を優しく優しく撫でる。ひとつの決心をした美穂の顔を見て、そっと唇をかぶせた。
「ん……」
 美穂から、少し吐息が漏れる。ドキドキという心臓の鼓動が、聞こえてくるような気がした。
 しばらくぎゅっと美穂を抱き寄せてから、部屋にあったスチール机に腰掛けさせる。和弥がスーツの上着を脱いで、それを机の上に広げる。頬を染めて、ほんの少しだけ不安げな表情を見せながら、美穂がちょこんと座っている。その光景が、なんだかかわいらしい。
「美穂、……初めて、……だよな」
「はい……。ひとりは……、何度か……」
 美穂がそういった途端、顔を赤くする。それを聞いていた和弥も、驚いて顔を赤くした。
「そ、……そうだよな。……年頃の女の子だもんな」
「せ……、せんせいは……、あるんですか?」
「オレは、……まぁ、一応……。最近はひとりだけど……」
 何を言ってるんだろうかと、和弥も思う。緊張しているせいで、互いに何を言っていいのかわからないんだろう。
「じゃ、じゃあ、……せんせい。……せんせいにお任せしますから……」
 美穂はそういうと、そっと目を閉じる。それを見た和弥も、息を吸い込むと美穂をそっと押し倒しながら、唇を重ね合わせた。
「あ、……せんせい」
 唇のあとにほっぺたにもキスをされて、美穂がうれしそうに微笑む。その顔を見て、和弥も微笑む。もう1回ほっぺたにキスをして、今度はおでこにもキスをする。
「あは……。せんせい……」
 ちょっとくすぐったそうな美穂の顔。顔にいっぱいキスをされて、からだの中が暖かくなってくる。そして、美穂の唇が再び和弥の唇で塞がれる。
「んんっ……」
 和弥が、美穂の唇をつんっと舌で突付く。美穂もそれに気付いてそっと唇を開き、和弥の舌を受け入れる。和弥の舌が、美穂の口先で動いたのに呼応して、美穂もおずおずと舌を突き出す。
「んふぅ……」
 ファーストキスのすぐあとに、こんなに激しいキスをされて、美穂の頭の中は麻痺して行きそうになる。それは、和弥も同じこと。ふたりで舌を絡めあいながら、自分自身も頭の中がぼーっとして行く感覚を感じていた。
「ん、ぷはっ……」
 時々息をしながら、美穂と舌を混ぜ合わせる。ふたりの唾液が口の中で絡み合い、その音が部屋の中に響く。
「んむぅ……。んくっ……」
 美穂が口の中に溜まった唾液を、こくんと飲み込む。和弥も、同じように飲み込む。ふたりの唾液が交換され、それを互いに体内に吸収する。
「……脱がすよ」
 美穂がこくんとうなずいたのを確認し、服に手をかける。緊張しているのか、からだが少し震えている美穂。和弥自身も、少し緊張して手が震えそうになっているのを、何とかこらえている。
「緊張、……してる?」
「は、……はい」
「先生も、……ちょっと緊張してるから。……けど、大丈夫だから。安心して」
 ほっぺたにちゅっとキスをして、美穂のさらさらの髪の毛を優しくかき上げる。美穂の緊張が、なるべく解けるように。初めてのえっちはやっぱり緊張するけど、いい思い出にしてあげたいから……。
 ホワイトのセーターを、裾から手を入れて脱がす。美穂も和弥に脱がされるのに、おとなしく従う。脱がしたセーターを傍らに置き、長袖のシャツも脱がす。そして、素肌に着けられている、ジュニア用の白のブラウス。それを通して見る限り、美穂の胸は目立つほど膨らんでおらず、本当にまだ成長前という感じ。同じクラスの中には、もう大きく膨らんでいる娘もいるだけに、成長も個人差によって違うことが感じられた。それに、まだバストを守るタイプではない下着を着けているのだから、美穂もまだこれからなのだろう。
「美穂、大丈夫?」
「は、……はい。大丈夫です……」
 消え入りそうなくらいの声で美穂が言う。出来る限り力を抜いてあげたいので、唇やほっぺたに何度も何度もキスをする。
「はぁ……」
 美穂が小さな吐息をつく。美穂の表情を見ながら、和弥はチェック柄のスカートに手をかける。美穂は抵抗することなく、むしろ自ら腰を上げて、そのスカートが脱がしやすいようにした。
 スカートを腰から取り去ると、細い太ももと腰に着けられた体操服のハーフパンツが見えた。まだからだは成長前であっても、心は年頃の女の子。やっぱり、気恥ずかしいところがあるのだろう。
「これも、……いいか?」
 和弥がそう聞くと、美穂は何も言わずにこくんとうなずく。それを確認して、紺色のハーフパンツを細い脚からするっと脱がす。
「せ、せんせい……」
 恥ずかしいのか、美穂が本当に消えてしまいそうな声でつぶやく。残されたのは、ブラウスと靴下、そして、女の子らしく真ん中に小さなリボンの付いた白いショーツ。白基調に統一された下着が、なんだかすごく美穂らしく感じてしまう。
 和弥も、ネクタイを取り、カラーシャツを脱ぐ。そうして、改めて美穂のからだを見る。まだまだ幼いからだには、あんまり無理はさせられないだろうから、出来る限り優しくしてあげようと和弥は思った。
 今日何度目かのキスを美穂にすると、裾から優しく手を入れて、ブラウスを脱がす。すべすべの素肌とともに、まだほとんど膨らみのない胸があらわになる。
「や、……あぁ、せんせい……」
 女の子らしく、ほんの少しだけ膨らみはあるが、それでもまだまだこれからという感じの胸に、和弥はなぜか興奮する。
「美穂、……すごくかわいいよ」
「せ、せんせい……。お世辞なんて、言わなくていいですから……」
「お世辞じゃないよ。ホントにかわいいんだ……。これが、美穂なんだって」
 そういうと、手のひらで包み込むように、まだまっ平らに等しい胸を優しく触る。
「あ……、ん……」
 美穂が、少し心地よさそうな表情になる。すべすべの素肌とともに、微妙なふくらみと真ん中の突起が手に伝わり、それがなんだかすごく気持ちよく感じる。成人女性なんかじゃ絶対に味わえない感触に、和弥の興奮が大きくなる。
 胸を中心に、からだをマッサージするように、すべすべの素肌をやさしくやさしく触る。
「せ、……せんせい。……ほんとに、……ほんとにこんなので……」
 今起きている光景が、なんだか信じられない美穂。望んだこととはいえ、大好きな人とこうしているのが夢なんじゃないかと思ってしまうのだ。
「……美穂。先生は、美穂だからこうやって興奮できるんだよ……」
 しっかりと美穂の顔を見つめ、優しく言う。
「先生は、美穂のことが大好きになっちゃったんだから。大好きな人のからだを見て、興奮するのは当たり前だよ……」
「……せんせい」
 和弥が優しく微笑んで、ちゅっと口付けをする。そして、そのまま胸にある桜色の小さな突起にもキスをした。
「ふぁ……」
 ぴくんと美穂のからだが動く。そのまま、何度も何度もキスを浴びせる。
「んふ……。はぁ……」
 美穂も興奮してきたのか、息が荒くなってくる。呼吸が激しくなり、少し激しく上下動する美穂の胸。そこにある小さな突起を、和弥の舌が這いずり回る。女性が持つほんとうの胸らしい感触は味わえないが、これはこれですごく興奮してしまう。
 まだ手でかわいがってあげれるほどの膨らみがないから、せめて舌で美穂を気持ちよくさせてあげたい。そう思いながら、美穂の小さな胸に刺激を与え続ける。
「はぁぁ、……せ、せんせぇ」
 美穂の胸にある突起が固くなり、ぽつんと立ち上がる。
「美穂。気持ちいい?」
「わ、わかんないです……」
 そう言いながらも、顔は紅潮して、息も上がってきている。あまり感じたことのない感触だから、からだの刺激に心がどう反応していいのかわからないのだろう。けれど、胸のてっぺんにある突起を見ると、それは快感を感じていることがわかった。
 その先っぽに、舌の先で刺激を与える。ぬるぬるとした唾液が美穂の乳首に広がり、その快感が全身へと広がって行く。もう片方も、手で優しくマッサージする。
「ふぅ、ん……。ん……」
 和弥は小さな胸に吸い付いて、その乳房を吸い上げる。喘ぎ声にも聞こえるような、初々しい声を出す美穂。まだ素直に快感を感じられないようだが、それでも少しずつ快感の扉が開き始めているようだった。
 ひとしきり胸を愛撫した後、視線を下の方へとずらしていく。すべすべのおなかにある、ちっちゃなおへそを指で軽く触り、そのまま最後に残された布地へと手をずらしていく。
「せんせい。……いいですよ」
 和弥の動きに気付き、美穂がそう言いながらそっと腰を上げる。
「うん、……ありがとう、美穂」
 腰につけられている白いパンツを、両手でゆっくりと脱がす。そして、それを傍らにおいてから、美穂にキスをする。机の上にころんと寝転がっている、もう隠すものがない美穂のからだ。スレンダーで細いそのからだは、まだこれから成長する、初々しい女の子のからだだった。
「脚、開くよ」
 美穂の真っ赤な顔が微かにうなずいたのを確認してから、手で脚を両側に開いて一番大切な部分をあらわにする。
「や……、あぁ。せんせい……」
 何も生えていない、真っ白できれいな秘部。少しふっくらと膨らんだそこは、一本の筋が上から下へまっすぐに通っているだけのシンプルな形だった。今まで見てきた女性のものとは明らかに違うその形に、和弥の興奮もこれ以上に無いくらい高くなる。
「美穂、かわいい……。すごくかわいいよ……」
「や、……やぁ、せんせい」
 恥ずかしくて泣いてしまいそうな美穂に、和弥が優しくキスをする。
「美穂、恥ずかしがらなくていいよ。すごく、すごく素敵だ……」
「せんせい……、ほ、ほんとですか……?」
「うん。ウソなんかじゃないよ。……ほんとに素敵だ」
 もう一度キスをしてから、美穂の秘部に目線を戻す。指でその筋を割り開くと、上のほうにぷくっと膨れた芽が現れる。そして、ピンク色に染まった中は、美穂自身が分泌した液できらきらと輝いていた。
(やっぱり、濡れるんだよな……)
 当たり前のことだけれど、それが美穂だと少しだけうれしくなってしまう。小さなからだで、快感を感じ取ってくれていたのだから。
 指でもう少し筋を広げると、その中に小さな穴の開いたピンク色の膜も見えた。年相応の、小さな美穂の場所。ここに入れるのは、いくらなんでも苦しいんじゃないだろうかと、和弥は思った。
「触るよ……」
 今すぐにでもしゃぶりつきたくなる衝動を抑え、美穂がこくんとうなずいたのを確認して指で芽にそっと触れる。
「ひゃぁん……」
 からだがピクリと動き、美穂からかわいい声が漏れる。指先で優しく優しく触りながら、美穂のからだや反応を観察する。
「ひゃ、あ、あ、……あんっ」
 和弥が指で芽を動かすたびに、美穂はかわいい声を出してからだを脈動させる。その部分が、まるで美穂のからだを動かすリモコンのようで、和弥が美穂を動かしているような感じになってしまう。
「あふぅん、……ひゃ」
 美穂の反応を見ながら、秘部の大切な部分にそっと小指を入れてみる。中は意外なほどしっかりと濡れており、ぬるっとした感触と共に和弥の指を押し付けながらも受け入れる。
「美穂、痛くない? 大丈夫?」
「は、はい。大丈夫です……」
 しかしまだ入れるのは難しいだろう。和弥はそう思い、もっと美穂を気持ちよくさせようと刺激を再開する。左手で美穂の芽をいじりながら、右手の小指を美穂の秘部にゆっくりと出し入れする。
「ん……」
 あまり経験したことのない快感のようで、美穂がちょっとむずがゆそうな顔をする。しばらくして小指から人差し指に代え、再び指を美穂の中に出し入れする。
「あ、……はぁ」
 美穂は、割とすんなり人差し指を受け入れる。きゅんっと締め付けるような感覚もあり、次第に快感も感じてきているようだった。興奮した吐息と共に、美穂の中から分泌される液が多くなってくる。その液を指ですくい取り、小さな芽にそっと塗りつける。
「やぁぁん! だ、だめぇ……」
 その刺激は、美穂にとっては大きすぎた。思わず出してしまった大きな声に、和弥も美穂自身もびっくりしてしまう。
「あ……。ご、ごめんなさい、せんせい」
「……い、イヤだったか……?」
「そ、そんなことないです……。びっくりしただけですから、も、……もっとしてください」
 真っ赤な顔をして美穂が言う。和弥も安心して、その行為を再開する。今度は、もっともっと優しく。今にも壊れてしまいそうなものを触るように、指先につけた液で美穂を刺激する。
「ふわぁ、……あぁぅぅ」
 ゾクゾクっという快感が、美穂のからだの中を流れ始める。いつもならば怖くてやめてしまうけれど、今日は大好きな先生がしてくれている。だから、ゾクゾクと襲ってくる恐怖心を少しだけ我慢する。
「あぁんんっ……。ひぁぁ……」
 指だけでは我慢できず、和弥はついにその場所に口を付ける。舌で美穂の芽をぺろっと舐め上げ、流れ出てくる液を吸い取る。
「ひぁぁ! せ、せんせぇ!」
 からだ中を電撃のように流れる快感に、美穂が我慢できなくなる。無意識のうちに和弥の頭を引き離そうと手で押すが、和弥はそれに抵抗して美穂の秘部を舐め続ける。
「ひゃぁぁん! だ、だめぇ……。せんせぇ……」
 口ではダメといっても、美穂のからだはその刺激に反応して、液を秘部からとめどなく流し続けている。けれど、その刺激は美穂にとっては強すぎるくらいの刺激で、次々に襲ってくるゾクゾクする快感に恐怖心も覚えてくる。和弥の頭を押す力が強くなり、からだも逃げようと動いてしまう。
「……美穂?」
 あまりにも強く頭を抑えるので、和弥も行為を中断し、顔を上げる。
「そんなに、……イヤだったか?」
 和弥は少し悪いことをしたかなと思いながら言う。荒い息をしながら、美穂が上体を少し起こす。
「ち、……違います。……そ、……その」
 感じたことのない強い快感に耐えられないとは言えず、美穂が少し困ってしまう。そんな恥ずかしい事はいえないし、けれど続けてもらっても怖くて、ものすごく不安が募ってしまう。
「せんせい、……キスして、もらえますか……?」
「うん、いいよ」
 美穂をそっと抱きしめて、キスをする。こうしていると、美穂も落ち着いてくる。和弥にそっと抱かれて、幸せな気持ちになってくる。さっきはちょっと拒否反応をしてしまったけれど、やっぱり自分は先生が好きなのだと。そして、もっと和弥のことを知りたいと言う気持ちが芽生える。
「せんせい、……そろそろ、いいですよ……」
「美穂……。本当に、大丈夫か?」
 同じクラスの子と比べて成長が遅く、からだも小さい美穂。そんな美穂にもう一歩進んだことをするのは、少し心配になる。
「だ、大丈夫です……」
「初めてだから、……きっとすごく痛いぞ」
 今ここでやめておけば、まだ美穂へつらい事をさせなくてすむ。今の美穂のからだに負担をかけると、壊してしまいそうな気がする。
「し、知ってます……。けれど、わたし、……先生に気持ちよくなって欲しいですから」
 健気な美穂の言葉。それを聞いて、和弥も決心する。
「わかった。……けど、我慢できなかったら言ってくれ。先生も、すぐにやめるから」
「……はい。……わたしも、がんばりますから……」
 再び美穂をスチール机の上に寝かせる。和弥も全てを脱ぎ、その大きくなったモノを露出させると美穂の上に覆いかぶさる。
「そんなに大きいのが、……入るんですね」
 初めて見る、勃起した男性の性器に美穂が驚いたような声を上げる。小さい頃に父親のは見たことがあるけれど、こんなに大きくなったのを見るのは初めてだ。だから、こんな大きなものを突き刺されることを考えると、少しだけ恐怖心があった。
「怖いか……?」
「だ、大丈夫です……」
 ふるふると頭を振り、美穂が言う。和弥は頭を撫でてあげながら、もう一度キスをする。
「じゃあ、いくぞ……」
「はい……」
 和弥が美穂の秘部にモノを合わせ、その感触が美穂にも伝わる。そして、場所を確認すると先端をゆっくりと押し込む。
「あ……」
 美穂の秘部が、和弥のモノでぐいぐいと押される。先端がほとんど埋め込まれるだけでも、和弥には感じたことのない快感が伝わる。試しにもう一押しすると、そこには何か反発するような感覚がある。おそらく、そこが美穂の初めてを示すしるしなのだろう。
「美穂、行くよ……」
 和弥がそう宣言すると、美穂も決心したような顔になる。
 美穂の腰を持ち、呼吸に合わせる。そして、ぐっと腰を突き入れる。
「はあぁぅぅっ……!」
 美穂が息を吐き出すような声を出し、顔をしかめる。和弥のからだを抱きしめる力が強くなり、目から涙がこぼれだす。正直な話、和弥は処女の女の子を抱くのは初めてだった。だから、美穂のその反応が、すごく心配になった。
「美穂……。い、痛い? 大丈夫か……?」
「い、……痛いですけど……、だ、……大丈夫、です……」
 笑顔を見せて、気丈に振舞う美穂。しかし、その苦しく、痛そうな表情を見れば、それが作られたものであることはすぐにわかる。
「我慢できるか? やめようか?」
 あまりの痛さに声も出ず、細かく息をしてその痛みに耐える美穂がかわいそうで、和弥は半分以上入った腰を戻そうとする。しかし、美穂はそれを嫌がるように、逆に脚で和弥の腰を捕まえる。
「や、……やめちゃいやです。ぜ、ぜんぶ、……ぜんぶ入れてください」
 涙をボロボロとこぼしながら、美穂が言う。あまりの痛さに逃げ出したいくらいなのに、美穂はやめようとせず、和弥のからだにしがみつく。
「大丈夫ですから……。ほんとに、大丈夫ですから……」
 絶対に大丈夫じゃない。和弥にはそうわかっていたが、今やめると、美穂の気持ちを裏切ってしまうことになる。だから、いまはいつもの優しさを一時の間だけ忘れ、迷いを振り切って、和弥は再び腰を入れた。
「あ、あ、あ、……あぅぅ」
 きつ過ぎるくらいの締め付けを押しぬき、和弥のモノの先端が美穂の奥まで届く。やはり小さなからだの美穂のこと、奥行きもあまりなく、和弥のモノを半分よりも少し飲み込んだ程度だった。
「美穂、……入ったよ」
 先端に当たる感触を感じ和弥が動きを止めると、美穂もこくんとうなずく。
「せ、せんせい。わたし、すごく、……すごくうれしいです。……ありがとうございます」
 あまりの痛さに涙をこぼし続けながら、美穂が言う。そんな美穂をものすごく愛しく感じ、和弥はぎゅっと抱きしめる。
「大好きだ、美穂。……もう絶対に、絶対に離さないから……」
「せんせい……。わたしも……、わたしも先生のこと、大好きです……。ずっと、一緒にいたいです……」
 美穂も和弥にぎゅっと抱きついてきて、キスをする。大好きな先生だから、先生に気持ちよくなって欲しくて。そんな想いが、処女をもらってくれた和弥をうれしく思い、幸せを感じ、美穂に痛みを我慢させていた。
 和弥も美穂とキスをしながら、心の中にものすごく暖かい気持ちを感じていた。だから、出来る限り美穂の痛みが治まるよう、しばらくはこうしてあげたい。そう思い、何度も何度もキスを続けながら美穂の頭を撫で続けた。
「せんせい、……もう、大丈夫ですから。……動いてもいいですよ」
 ものすごい痛みを感じながらも、美穂は和弥を気持ちよくさせてあげたいと思い、健気にも気丈に振舞う。
「大丈夫か? まだすごく痛いだろ……」
「ほんとに、大丈夫ですから……。せんせいに、気持ちよくなって欲しいんです……」
 確かに、和弥とキスを続けている間に少しずつ痛みが引き始め、なんだかほんのちょっとだけ気持ちよさも感じていた。けれど、それはまだほんのわずかであり、痛いことに変わりは無かった。
「美穂。……せんせいは、こうしてるだけでもすごく気持ちいいんだぞ。美穂には、……無理して欲しくないから……」
「ほ、ほんとですか……?」
「あぁ……。美穂とこうして抱き合ってるだけでも、……すごく気持ちいいんだからな」
 美穂の痛みが秘部の中の動きとして、和弥を圧迫し刺激していた。ものすごく狭くていっぱいになっている美穂の中だけれど、それがぐにぐにと動き続け、和弥にとっては感じたことが無いくらいの快感だった。
「せんせい……。わたし、幸せですよ……」
「オレも、オレもすごく幸せだぞ……。美穂……」
 ふたりがぎゅっと抱きしめあったまま、キスをし続ける。唇、ほっぺた、おでこ。互いにキスを浴びせあい続けるうち、幸せで気持ちがどんどんと高ぶって行く。
「美穂、先生。そろそろだから……」
「せ、せんせい。わ、私の中でいいですから……」
 美穂がそう言って、脚を和弥の腰に回す。その動きが、和弥のモノをさらに締め上げる。
「うわっ……、み、……美穂」
 美穂の中がぎゅんっと締まり、和弥のモノがきつく締め上げられる。ただでさえ気持ちよかった美穂の中が、より一層強い刺激を与える。和弥の局部へ恐ろしいほどの快感が流れ、官能をこれでもかというほど刺激する。
「美穂、……美穂。……い、いくぞ」
「せんせい……。わたし……、わたし……」
 ふたりがぎゅっと抱き合い、気持ちが高ぶって行く。
「あ……、み、美穂っ……。美穂っ……」
「せんせい、……せんせぇ!」
 和弥がついに達する。ふたりが繋がったまま、狭くて小さな美穂の中に、和弥の思いのたけを次々に吐き出していった。
「あ、……せんせいのが……」
 美穂のからだの中で、和弥のものが大きく脈動する。美穂はそれを幸せに感じて小さな瞳からポロリと涙を流し、和弥のからだに抱きついていた。そうしてふたりは、しばらくそのまま抱き合っていた。
「せんせい……」
「美穂……」
 ふたりの唇が自然と重なり合う。幸せな、ふたりだけの時間。こんなに優しくしてくれる人と初めてえっちをして、美穂は表現できないほどの幸せを感じていた。
「せんせい。……わたし、すごくうれしいです」
「うん……。先生も、すごくうれしいよ。美穂……」
 頭を撫でながらもういちどキスをして、ふたりが離れる。秘部から和弥のモノが抜かれると、すぐに鮮血と混じった白濁液が流れ出てきた。それをポケットティッシュでやさしくふき取る。さっきまで痛い思いをさせていた場所だから、余計な痛みを与えないよう、優しく、いたわるようにふき取る。
 一通りの後始末を終えてから、美穂のからだを優しく抱き起こす。
「美穂。……ありがとな」
「い、いえ……。わたしも、……ありがとうございます」
 小さなからだをいたわるように、美穂の優しく抱き寄せる。はだかのままのふたりが、学校の一室で少し甘い時間を過ごす。
「わたし、幸せです……。先生に、こんなにやさしくしてもらえて……」
 少し恥ずかしそうに微笑みながら、美穂が言う。
「先生も幸せだよ。……こんなにかわいい美穂と、一緒になることが出来て」
 和弥が言うと、ふたり揃って顔を赤くする。
「でも、……ごめんな、美穂。……痛い思いさせて」
「い、いえ……。いいんです。わたし、先生のことが大好きなんですから……。とっても、……いい思い出になってよかったです」
 そう言いながら、美穂は和弥のからだに抱きつく。和弥も美穂を抱きしめると、頭を優しく優しく撫でながらキスをした。
 きっとこれから、いろいろと大変なことがあるだろう。教師と生徒という禁断の関係なのだから、それはなおさらだ。けれど、自分は美穂のことをしっかりと守ってあげなきゃいけない。和弥は、深くそう思った。
「……そろそろ、日が暮れるよ。……戻ろうか?」
「……はい」
 美穂に服を着させ、和弥も服を着る。幸い服には汚れも付かずに済んだ。互いに服のしわを直して、その甘いひと時を過ごした部屋から出た。
「美穂。……家まで送って行くよ」
「え、……ほんとですか?」
「うん。……もう時間も遅いしな」
 もう夕暮れも近く、生徒で残っているのはいないんじゃないだろうか。教師も一部は帰宅の途についていたから、和弥も美穂と共に帰ることにする。初めてを終えて、歩くのが少し大変そうな美穂が心配なのもあるし、なによりも、今は美穂とできる限り一緒に居たいのだ。
「大丈夫か?」
「はい。だいじょうぶです。……ちょっと、違和感がありますけど……」
 美穂の荷物を和弥の自転車に乗せ、美穂と一緒に歩く。美穂は、何か歩きにくそうにしながらも、なんだかうれしそうな顔をしていた。その顔を見て、和弥もなんだか幸せになってくる。
 15分ほど歩いたところにある、美穂の住むマンション。もう日が暮れかかり、あたりも暗くなり始めていた。
「せんせい……。今日は、ありがとうございました」
「いいえ。先生からも、……今日はありがとうな」
「せんせい……。また明日……」
「あぁ、また明日な」
 美穂に荷物を渡して、別れを告げる。
「せんせい……。また、……いっしょにしましょうね」
 美穂が頬を染めて言う。
「今度は、……わたしも気持ちよくしてください、ね……」
「……あぁ、約束する」
「じゃあ、せんせい……」
 美穂が辺りを見回して誰もいないことを確認すると、小さなからだで背伸びをする。それに気付いた和弥は、顔を美穂と同じ位置まで下ろした。
 ちゅっ……。
「また明日!」
 そう言った美穂が顔を赤くして、マンションの中へ駆けて行く。
「あぁ、また明日な!」
 最後に唇に残った感触をうれしく思い、和弥も自転車を軽快にこぎながら家路へ付いた。



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