・あとがき


 PAC−2初の連載となった「くりえいた〜」を最後まで読んでいただき、さらにはこんなあとがきまで読んでいただき、ありがとうございます。1年と3ヶ月間、連載を続けた「くりえいた〜」ですが、正直言ってけっこう大変でした。でも、けっこう満足の行くものが書けました。構想として頭の中にあったネタで、やりのこした事もあるのですが、それはまた、別の機会にやりたいと思います。
 最初に連載をやろうと思ったとき、連載するならこんなのを、と思って昔作ったものがありました。内容が「両親をなくして施設に入っていた子を、金持ちの青年が引き取る」という、なんともありがち、かつ、ベタベタなネタでした。作品のクオリティもあんまりよくなかったので、結局これは没にしました。
 そこで、女の子と一緒に暮らして、たくさんえっちをして、幸せになる話を書くにはどういう設定がいいか、と考えた時に、「ゲームクリエイター」という設定が頭に浮かびました。しかもエロゲー。他にも設定をいろいろ考えた結果、この路線で決まりました。じゃあ、女の子と一緒に暮らすには? と考えた時に、「両親が亡くなっている」というのではありがちなので、「旅行にしばらく行く」という設定になりました。で、なるべく明るくいこう、という路線からああいう設定になったわけです。私の知っている人にゲームのクリエイターが居ないので、実際問題クリエイターがどのような感じで仕事しているのかわからず、ほとんど想像で書いてしまいました。ごめんなさい。
 ところで、「くりえいた〜」には、いくつかの意味が含まれています。ひとつは、博樹自身の仕事「ゲームクリエイター」から来ていますが、もうひとつは「あずさとの関係と大人への心を作る(クリエイトする)」という意味も含めています。ふたりで協力し合って、あずさを大人へと導いていく。思春期のひとつの形として書いていったつもりです。うまく成長が伝わっていますでしょうか。
 今まで応援していただき、本当にありがとうございました。「くりえいた〜」そのものはこれで終わりとなりますが、ちょこちょことそれに付随するお話を書いていきたいと思っています。これからもご期待ください。
 最後に、ここまで読んでいただいた皆様、文章の校正等の情報を提供していただいた方々、本当にありがとうございました。

2003年3月 後藤輝鋭(Kiei Gotoh)