・くりえいた〜
・第11話「1月 お年頃」


 年が明けて学校も始まった1月中旬。その、とある土曜日の午前中。
「今日は暖かそうだね…」
「そうだな。…どっかお出かけしたい気分だなぁ…」
 今日もいつもどおりあずさが先に目を覚ましたのだが、博樹が起きるまで寝顔を見つめて、博樹が起きてもしばらくは布団にこもったままふたりでおしゃべり。残念ながらえっちはしていない。
「ここのほうが、外よりも暖かいよ。きっと」
「そりゃそうだ。ふたりでいっしょに丸まってるんだから」
 もともと博樹が使っていたシングルベッドに、あずさもいっしょにいるのだから、狭いといえば狭いのだが、その微妙な狭さが、またなにか幸せさを感じられるのだ。
 平日よりもゆっくりと寝て、いつもより遅い朝食、というよりもむしろブランチをとって、ふたりがリビングでのんびりとくつろぐ。
「うにゅ〜〜〜っ」
 くにくにくにくに。
「うきゅーっ」
 さっきから、博樹とあずさがじゃれあっている。まるでこどものように。まぁ、ふたりともある種こども的な部分はあるんだが…。
「うにぃ。もう、あんまりいたずらしたらだめだよ〜、博樹お兄ちゃん」
「ん? いやか?」
「いやじゃないけど…」
「だってかわいいんだもん」
 ぽっと、あずさの顔が赤くなる。いつまで経ってもうぶなあずさ。これがかわいくってしょうがないのだ。
「そもそもは、あずさが悪いんだぞ〜」
「違うよぉ。博樹お兄ちゃんだよぉ」
 あずさを後ろ抱きにした状態で、最初は頭を撫でていたのだが、あずさも博樹の頭をなでたのが発端。博樹のいたずら心に火が灯り、ほっぺたをくにくにと触ったり、わきばらをくすぐったり、ほっぺたにキスしたりと、まぁ、結局はいつもの愛情表現そのまんまである。
「あ〜ずさ」
「なぁに?」
「キスしていい?」
「うん、いいよ…」
 後ろ抱きにしたまま、ふたりが唇をあわせる。いつもいたずらしあっても、結局はこれ。
「えへへ…」
 あずさもまんざらじゃないから、博樹に体を預けてしまう。博樹の胸の中で、ここちよさそうな表情をしている。
「ふ〜む…」
 博樹がちょっと考える。手は、あずさのおなかに置かれている。
「なぁ、あずさ」
「なぁに? うみゅっ!」
 ふにふにふにふに。
「あ、あぅ。博樹お兄ちゃぁんっ!」
 博樹がさっと手を動かして、あずさの胸を触る。
「だめだよぉ、あんまりいたずらしちゃあ」
「な、あずさ」
「うにゅ…、なぁに…?」
「あずさのおっぱい、だいぶ大きくなったな」
 出会った頃、薄着のあずさを見ると、まだほんのちょっと主張をはじめた程度。それが、だんだん大きくなり、今ではあずさの年頃の女の子と同じくらいにまで成長してるのではないだろうか。1年前。はじめて肌を重ね合わせた時よりも、だいぶ成長してる。
「えへへ、ありがと。…博樹お兄ちゃんのおかげだよ」
「はは。…でも、まだスポーツブラだったよなぁ」
「うん…」
「そろそろ、普通のブラジャーつけないとな」
「ふに、…そっかな? 夏に、初めてスポーツブラつけたのに」
 そういえば、夏の時も似たような感じをきっかけとして、スポーツブラを買ったんだなぁ、と思い出す。
「形が悪くなるぞ〜」
「うにゅぅ…。それはイヤだけど…」
 あずさが、ちょっと考える。
「でも、私のおっぱい見るのって、博樹お兄ちゃんぐらいだと思うけど」
「ぐは」
 博樹も、ちょっと痛いツッコミを受ける。
「まぁ、そうだけどな…。あ、子供が出来たら子供も見るぞ」
「えへへ、…そうだね。…作りたい?」
「あずさとの子なら、いっぱい作りたい」
「そんなにいっぱいは苦しいけど、…私も博樹お兄ちゃんとの子なら欲しいな」
「はは。…でも、形が悪いよりかは、良い方がいいだろ?」
「うん…」
「よっしゃ、じゃあ今日買いにいこっか?」
「え、…いいの?」
「あぁ、かわいいのをプレゼントしてあげる」
「ホント? ありがと」
 あずさが、博樹のほっぺたにキスをする。やっぱり、けっこううれしいのだ。あずさにとって。
「で、あずさ」
「ふに?」
 もみもみもみもみ。
「…あ、あのね…、博樹お兄ちゃん」
「ん、どした?」
「その、…今日は、…ちょっとだめだから」
「……あーっ、あぁ、あーっ。そっかそっか」
 理由がわかり、うかつだったと思う博樹。
「ごめんね」
 あずさが、ちょっと申し訳ない顔をする。
「ううん、いいよいいよ。女の子だからな」
 揉んでいた手はそのままに、あずさを後ろ抱きにしたままやさしくキスをした。


 お昼ちょっと過ぎ。電車に乗って隣の駅まで行き、近くの大型スーパーへと行く。やっぱり、こういうのはそれなりの所に行って選びたい。隣の駅と言っても、同じ市の中にあるのだが、隣の駅の周りにはデパートやスーパーがたくさんあるので、都合がいいのだ。
「るんるーん、えへへー」
「……」
 博樹が、あずさの顔を見ると、なんだか、すごくご機嫌の様子。
「あずさ、なんだか楽しそうだな」
「へへ、そうかな?」
 いつもふたりでいるのだが、ふたりでお出かけするのはやっぱり楽しいのだ。いつも一緒にいるわけではないカップルのように、デートが一緒にいられる特別な場ってわけではないが、やっぱりデートは特別な場だとあずさは思う。博樹も、やっぱりデートだと思っている。
「今日は、博樹お兄ちゃんにまたいいもの買ってもらえるからだよ」
「いいものか…。そうだな」
 あずさの成長を、見て感じる事が出来るし、肌で感じる事も出来る。博樹は相当な幸せものである。あずさの胸の膨らみも見ていたし、からだの成長も、心の成長も、いつも一緒に博樹がいた。背も伸びてきたので、一緒に買い物に行って服を買ったりして、あずさの成長を一緒に喜んできた。
 ま、博樹がいたからこそ、あずさはここまで大きくなれたのかもしれないが。
「博樹お兄ちゃんといると、すごく楽しいんだよ」
「そうか、それはオレも嬉しいな」
 駅を出て、ちょっと歩いた所に大手の大型スーパーがある。休みの日とあって、結構な人で賑わっていた。
「確か、4階あたりにあったよな」
「えーと、…そうだね、4階みたい…。よく知ってるね、博樹お兄ちゃん…」
「なんか、印象があるんだよなぁ…」
 エスカレーターに乗って、上の階へと上がる。下着売り場なんかは、意外と印象に残りやすいのである。4階のフロアの4分の1が、女性向けの下着売り場。あとは、婦人服とかそんなもんである。
「…オレ、なんか場違いだな…」
「そうかなぁ?」
 男が、女性の売り場に行くっつ〜のは、けっこう気恥ずかしいものである。とりあえず、手近な店員に声をかける。
「あのぅ、すいません」
「はい、いらっしゃいませ」
 ちょっと若めの女性店員。まぁ、この手の売り場に、男性店員はあんまりいないだろうけど。
「えーと、この娘に合う下着を選んでもらえますか?」
「はい、えーと…、ファーストブラっていうのでよろしいですか…?」
「あー、…あ、はい。それで、何着か」
「わかりました。じゃあ、こっちへどうぞ」
 店員があずさを連れて売り場の方へと行く。博樹は、ついて行っても恥ずかしいだけなので、とりあえずその辺のベンチに腰掛けて待っておく。
「時間かかるだろうなぁ…」
 時間がかかるのは、もう覚悟の上だ。でも、やっぱりそれなりに気に入ったのを買って欲しいと思っている。
「男が年頃の女の子の下着を買うのに付いていくのは、気恥ずかしいもんなぁ」
「そうですねぇ…」
 博樹がそう返事する。
「……」
 なーにかヤな予感がして、左隣を見る。
「あの、…社長」
「なんか?」
「…なんでこんな所にいるんですか…?」
「居たら悪いんか?」
「いや、…そういうわけじゃないですけど…」
 神出鬼没である、この社長。
「今日は、マジで偶然だぞ。たまたま上の階から下りてきたらお前見つけただけだ」
「はぁ、…そうですか」
「オマエも、オレがこっちの方に住んでるって知ってるだろ」
「えぇ、…まぁ」
 まさか、こんな所で会うとは思ってもなかった。
「社長も下着売り場に用ですか?」
「アホ、違うわい」
 社長の裏手ツッコミが入る。
「母さんと一緒に買い物来とったんじゃい」
 母さんってのは、社長の嫁さんのことだろう。
「ん、…母さんがそろそろ買い物終わる頃だな…。…じゃ、また月曜日に」
「あ、…お疲れさまです」
「……。かわいいの買ってあげろよ」
「仰せのとおりに致します」
 社長が下の階へと下りていく。いやはや、博樹ビックリであった。
「博樹お兄ちゃん、終わったよ〜」
 しばらくたって、あずさが呼びに来る。ちょっと頬が赤く染まっている。
「んしゃ…」
 全部でとりあえず3着。そんなにお金はかからなかった。
「ありがとうございましたー」
「ありがとね、博樹お兄ちゃん」
「んにゃ、どーいたしまして」
 うきうきとしたあずさを見て、博樹も嬉しくなる。あずさの成長する姿を見れて、ホントに博樹は幸せなやつである。


 それから1週間たった土曜日の昼下がり。博樹は部屋でひとり、作業を続けていた。
「っと…、ここの分岐がこう繋がって…」
 パソコンの前に座り、傍らにメモ用のノートを広げて作業を進める。骨組み用に大まかに作ったシナリオのブロックを見合わせながら、ノートに必要なことをメモしていく。
「…んー。こんなもんだろうか…」
 ノートをパタンと閉じて、ちょっと伸びをする。
「…そーいえば、あずさは部屋にこもりっぱなしだな…」
 以前あずさが寝ていた部屋は、今はあずさの勉強部屋として使っている。ベッドは置きっぱなしになっているものの、あずさは博樹と一緒に寝ているので、もはや使っていない。
 あずさはけっこう勉強が出来るし、その勉強のしかたもメリハリを付けて勉強する娘なので、ここまでずーっと部屋にこもっているというのは珍しい。いつも、流れに任せていた博樹とはえらい違いである。
「…ちょっと様子見てみよっかな」
 博樹がそう思って、隣のあずさの部屋のドアをノックする。
「あずさー」
「あー、入ってきちゃだめだよ〜っ」
「…ん? …おー、わかった」
 部屋に入れるのを拒否するとは、これまた珍しい。
「…なんか、週明けに大切なテストでもあるんかな…?」
 博樹はそう思って、再びパソコンの前に座りノートを開こうとした。
「博樹お兄ちゃん」
「ん、お、どした?」
 あずさが、ドアから首だけ出して博樹に顔を見せる。
「へへー」
「どうかしたか? 入ってきていいぞ」
「うん。ちょっと待ってね…」
 あずさがそう言って、なにか力を溜めるような表情をする。
「せーの」
「?」
「じゃーん!」
 ぽんっと入ってきたあずさの格好。
「…い?」
 下着姿。ブラジャーとパンツと靴下だけ履いて、博樹の前に立っている。
「…ど、ど、…どした?」
 驚く博樹。そりゃそうだ。いままで、「こういう」下着の姿を見たことがなかったんだから。
「えへへへー。どうかな? 博樹お兄ちゃん」
「ど、どーかなって、…どうしたんだ?」
「また新しいの買ったんだ。どうかな?」
「う、うーむ…」
 ちょっとこっぱずかしくてはっきりと見れないのだが、ブラもパンツもおそろいのもの。それも、こないだ買ったやつとは違って、薄いブルーのちょっとオシャレなものだった。
「す、…すごくいいぞ。それ…」
 博樹、早くも反応し始めている。
「えへへへ、ありがと」
「それにしても、新しく買って来たって、どこで?」
「こないだね、あやちゃんたちと一緒に買いに行ったの。ちょっとオシャレなのばっかり売ってるところ、あやちゃん知ってたから」
 そのままの格好で、博樹に寄りそいながら話す。
「体育の時間の前の、着替えてる時にあやちゃんが気が付いたんだよ、私がブラ着けはじめたの。それで、教えてもらって、美穂ちゃんも連れていっしょに行ったんだ」
「ふーん…。そっか」
「博樹お兄ちゃんのために、お年玉使って買ったんだからね。ね」
「ん…、む…」
 博樹の首に手を回して、あずさが甘えてくる。
「そっか。じゃあ、あやちゃんにちゃんとお礼言っとけよ」
「うん。あやちゃんは、けっこう胸おっきいんだよね。美穂ちゃんは、まだそこまでおっきくないんだけど…。かわいいの買ってたよ」
「ふーん。…今度籠原先生に言っといてやろ」
 博樹が笑いながら言う。
「で、博樹お兄ちゃん」
「ん? …んー、いいぞ」
「えへへへへ…」
 ちゅっとフレンチキスをして、ふたりがベッドに移る。
「さ、あずさ」
「あ、あのね。ちょっとお願いがあるんだけどね」
「ん? なに?」
「一応、…付けてしてくれる?」
「おう、わかってる」
 あずさも、お赤飯を迎えているのだ。それなりのものは買ってある。
「うん、ありがと。…私は別に、出来ちゃってもいいんだけどね」
「ははは。ま、それはまだ社会的にマズイからな」
「えへへ、うん。それとね」
「うん」
「今日は、…ちょっとしたいことがあるんだけど、…いいかな?」
「うん、いいぞ」
 ということは、今日はあずさがリードしたいと言うことだ。いつも博樹がリードしているのだが、こういう事はたまにある。あずさが、したがっている時は大抵こうだ。
 ベッドの上に座って、にこっと笑うあずさ。そんな格好で笑われると、博樹もドキッとしてしまう。暖房が入っているので、部屋は寒くない。ま、今から熱くなるからどうでもいいが。
「じゃあ、…するね」
「おう…」
 おずおずと、あずさが博樹の下腹部を触る。部屋着に使ってるゆったりとしたズボンだから、モノが大きくなっているのがすぐにわかる。
「もう、こんなにおっきくなってるんだね…」
「…あずさが、そんなかっこうしてるからな…」
 かわいい下着姿のあずさにそんな事をされると、なんだかヤバイ風俗に行ってるような気分になってしまう。行ったことないけど、ランパブってこんな感じなんだろうなと、博樹は思った。
「脱がしていいよね…」
「うん、…脱がしてもらわないと、…ちょっと困る…」
「えへへ…、そうだね…」
 これで終わりだったら、蛇の生殺しよりもひどいだろうな。
 あずさがズボンをするするっと下ろす。いつも博樹があずさを脱がして、自分は自分で脱いでたから、こういうのはなんだかくすぐったい。脱がされてる時のあずさの気持ちが、なんとなくわかる気がする。
「上もいいよね…?」
「あぁ、いいぞ」
 博樹がメガネを外すと、あずさが裾に手を入れて、上着をひとつずつ脱がしていく。トレーナーと長袖のシャツを脱ぐと、博樹の薄っぺらな胸板が出てくる。でも、最近はちょっと厚くなってきたが。
「これで一緒だな」
「うん、そうだよ」
 互いに下着だけの姿。靴下を着けているかいないかの違いはあるけれど…。
「うぁ…」
 もこっと膨らんだトランクスを撫でられて、思わず声を上げる。
「あずさ。…いったい、どこでそんな事覚えてきたんだ…?」
「えへへ、そこの本棚だよ」
「…資料か…」
「ホントに資料なの…?」
「今はな」
 博樹がそう言って、ふたりしてくすっと笑う。
「わたしがえっちなのって、いや?」
「いんや、嫌じゃないぞ。あずさがえっちな娘で、オレはすごく嬉しいけどな」
「えへへ、よかった…。じゃあ、続きしていいよね…」
「あぁ、してくれないと、すっごい困るぞ」
 さっきも言ったが、ここで終わりってほど情けない事はないだろう。
「う…」
 あずさがトランクスの上から大きくなったものを握り、さわさわと触る。そして、モノの形を確かめるように、ゆっくりと握る。
「脱がすよ、博樹お兄ちゃん…」
「あぁ…」
 すっかりと主導権を握られてしまった博樹。普段と逆なのが、なんとも興奮する。
 トランクスを脱がされて、モノが姿をあらわす。それに、あずさがやさしくかぶりつく。
「うくっ…」
 先端があずさの唇に触れた瞬間、博樹に快感が電撃のように流れる。あずさが、時々やってくれるフェラ。時々だから、ものすごく気持ちよく感じる。
「ひっ…」
 舌でさきっぽを舐められて、思わず声を上げてしまう。そのまま、根元のほうまで舐められる。勉強家あずさの、予習の見せ所だ。
「うぁぁ…、あずさ。…すごくいいぞ…」
 ねっとりとした感触が、博樹のモノを這いずり回る。予習のせいだろう、ものすごくテクニックがいい。
「気持ちいい?」
「あぁ、…すっごくいい」
「よかった…」
 あずさの舌がモノの横から裏を這い、そのまま玉に達する。
「んぉ…」
 ついつい情けない声を上げてしまう博樹。玉をひとつずつ口に含まれて、官能が高ぶる。
「あ、…あずさ…」
「…えへへへへ」
 小悪魔な表情をして、博樹のモノを手コキする。なにか、あずさも楽しんでいるような、そんな感じ。そのまま、モノを口に入れてしゃぶる。
「ひぃ…、そ、…そこまで…」
 なんか、あずさに操られているような気分。かわいい女の子が、いやらしい格好で、こんなことをしているのだ。官能も高ぶって、もう終わりが近づいてきている。
「あ、あずさ、…で、出そう…」
 すると、あずさの口を動かすスピードが早くなる。やわらかい唇の感触と、ねっとりとした口の中と舌の感触が、ものすごくいい。
「あ、…あくっ…、あずさ」
 もうすこしで出る。…というところで、突然あずさが口から離す。モノが今にもはちきれんばかりに、限界まで来ているのに、そこで止まってしまったあずさ。
「…あ、あずさ。…どうした?」
「出したい? 博樹お兄ちゃん」
 両手でモノを持ったまま、ものすごくいじわるな表情をするあずさ。ちょっと上気立って笑ったその顔が、かなり小悪魔の表情。
「あ、あぁ、…出してくれないと、…オレ、どうにかなりそう」
「えへへ、…ごめんね」
 あずさが動きを再開する。ゆっくりとしたスピードから、だんだんと早くなっていく。
「あ、…あ、…あずさ、…出すぞ」
 こくんとうなづいたあずさを確認すると、頭を軽く抑える。
「うくっ…」
 腰がビクっと脈動するとともに、限界まで大きくなったモノを快感が突き抜けていく。それを、あずさがじっと受けとめる。焦らされたおかげか、いつもよりも快感が大きく感じた。
「はぁ…、はぁ…、あずさ…」
 軽く抑えていた手を、あずさの頭から離す。まだあずさはじっとしたまま、博樹のモノに吸いついている。やや小さくなり始めているモノに残っている精液を絞るように、あずさがゆっくりと手を動かしたあと、そっと頭を上げる。
「んふ…、ん…、く…」
 指先で口元をおさえながら、口の中の精液を少しずつ飲み込んでいく。そして最後に、きゅっと目をつぶって飲み干し、パッと目をあける。
「…えへへ、気持ちよかった? 博樹お兄ちゃん」
 なんだか、すごく嬉しそうな表情のあずさ。口の周りで粘って糸を少し引いているのとその笑顔が、また小悪魔でいやらしい。
「あ、…あぁ、…すごく、…すごくよかったぞ」
 放心状態の博樹。目の前のあずさの格好と、自身の果ててしまったせいで、もう頭の中がクラクラなのだ。
「ほんとに、…どこでそんなこと覚えたんだ…?」
「あそこの資料だよ。風俗のお話とかもあったから」
 あずさが博樹の上に覆い被さりながら言う。
「…んん?」
 博樹が一瞬考える。と、ふとふたつの本が思い当たった。ひとつは、とある雑誌の別冊で、風俗ではどんな事をしてくれるかという、いわゆるハウツー本。そしてもうひとつは、とあるもと風俗の女性が書いた作品。
「あずさ、…おま、あんなものまで…。おわぅっ…」
 博樹が言葉を発する間もなく、あずさが更に攻撃をしかけてくる。
「どう? 博樹お兄ちゃん」
「んっぐっ、…んぐっ!」
 あずさが博樹の頭を抱きかかえて、自分の胸に思いっきり押しつける。あずさの成長してきた胸の膨らみが、ブラを通して博樹の顔に伝わる。なんだか今日のあずさ、ものすごく積極的だ。
「んごっ…、んむっ…」
 左右の膨らみをぷにぷにと押し当てられて、博樹のモノもまた復活してくる。巨乳の女性がやるよりも迫力はないが、あずさのようなまだ小さ目の膨らみだと初々しさとか若々しさが感じられて、いいような気がした。まぁ、博樹はあずさとしかえっちをした事がないが。
 あずさの胸に押しつぶされたまま、博樹が後ろのめりに倒される。
「えへへ、…今度はこんな事してみたりして…」
 あずさの胸の呪縛から解放されたと思いきや、今度はもっとすごいものが博樹を襲った。
「はぁ、はぁ…、あずさ? …おわっ!」
 博樹の眼前に広がる、あずさの股。それが、博樹の顔めがけて落ちる。
「うぐっ!」
 口の所に狙ったかのように、いや、狙ったんだろうな、下着ごしの秘部が。そして、鼻のあたりに恥丘の膨らみが。こんな経験、初めてである。博樹も攻めりゃ良いものを、あずさのあまりの積極攻撃にたじたじで、もう頭フラフラなのだ。
「えへへへへ…、いい眺め? 博樹お兄ちゃん」
 そう言ってるあずさの顔も、もう真っ赤。博樹は、もう頭爆発5秒前。
「うぐっ…、んむっ…」
 腰をぐりぐりと動かされて、秘部を押しつけられる。
「えへへ、どう?」
「んっ…、んむぅっ…」
 耐え切れなくなった博樹が、あずさの肩を持ち、押し倒して自分の顔を解放する。
「きゃんっ!」
 そして上半身を起こして起きあがる。と、目前にはまたしても、倒れこんで宙を向いたあずさのお尻、そして秘部。
「あずさ、…仕返しだっ!」
「きゃ、あ、博樹お兄ちゃん!」
 そのまま左手であずさのからだをホールドして、秘部に口を押し当てる。すでに湿り気を帯びているそこは、博樹の口が付いていたからでなく、あずさが自ら出したもののせいだろう。
 右手の指であずさの下着をめくり、秘部を直接露出させる。そして、口と舌とともに愛撫をはじめる。
「あっ、あぁんっ! 博樹おにいちゃぁん!」
 自分で博樹を攻めていたせいか、あずさ自身もかなり気分が高ぶっている。そして、やっとの待ちに待った愛撫。この最初にされた時の、快感がからだ中にビリビリと伝わってくる感覚があずさにはたまらない。
「はぁ…、あぁん…」
 あずさから出された愛液を指につけて、芽をやさしく擦る。
「ひゃぁん!」
 人差し指で、やさしくやさしく、まわしながら芽をいじる。
「あ…、あっ…、あぁん…」
 やさしく突付いてみたり、指先でぐっと押しつけてみたり、時々指でつまんでみる。あずさから、絶え間なく漏れる吐息。秘部から出される愛液も、さらに量を増す。
「ひぁ…」
 右手の指で下着を反対側に寄せたまま、博樹の口があずさの秘部を舐める。舌がやさしくあずさの秘部を這いずり回り、芽をやさしく舐めまわしたあと、口で吸いつく。
「ひゃぁぁぁ…、あんっ…」
 あずさの愛液と博樹の唾液が交じり合いかきまわされる音と、あずさの快楽を伝える声が部屋に響く。
「あずさ、…指入れるよ」
「う、…うん」
 あずさの秘口に、人差し指をゆっくりと入れる。ぬぷっとした感触が博樹の指先に伝わり、そのままぬるぬるっと飲み込まれていく。
「ひゃぁ…、あ、…あ」
 根元まで、人差し指がぬっぷりと飲みこまれてしまう。中のぬるぬるとした感触ときゅっと押しつけて来る締め付けが、あずさの若さを感じられる。
 そのまま、指をゆっくりと抜くと、今度は少し早く入れる。
「ひゃぅぅ…」
 再び抜き、また入れる。指を秘部に出し入れされて、あずさも官能が高ぶっていく。
「あっ…、あふっ…、あっ…、あふっ…」
 指を動かすたびに、声を上げるあずさ。博樹の愛撫のひとつひとつに、声を上げてくれるかわいい女の子。
「だ、…だめ…、いっちゃう…、博樹お兄ちゃん、いっちゃう…」
 あずさの声のトーンが少し高くなる。肩で息をはじめ、上げる声も変わってくる。
「あっ、あっ、あっ、だ、…だめ…」
 博樹も、指を動かすスピードを早めていく。あずさの愛液が指にまとわりつき、中をかきまわされる。
「はぁっ、はぁっ、…あんっ、…あわぁっ! …ひゃぁん!」
 ぎゅっぎゅっと、博樹の指が奥まで押しこまれる。あずさのからだが少し震え出す。
「だ、だめ、…だめ、…いっちゃうよぉ…、…ひ、博樹お兄ちゃん…、だ、だめぇ…」
 と、突然博樹が指を動かすのを止める。
「や、…ひ、博樹お兄ちゃん」
 汗をかいて、息も絶え絶えのあずさが、ものすごく切ない顔で博樹を見る。
「いきたい? いやじゃないの?」
「い、いきたいよぉ、い、いやじゃないから…。…いじわるしないで、博樹おにいちゃぁん…」
 切ない声と顔。その姿を見て、博樹も再び指を動かし始める。これも、さっきの仕返しなのだ。
「あっ、い、いい、…いいよぉ…、ひろ、博樹お兄ちゃん!」
 愛液の引っ掻き回される音と、あずさの声が部屋に響く。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…、あんっ! い、いっちゃう、博樹、…ひろきおにいちゃぁぁん!」
 あずさのからだがびゅくんっと踊り、すべての力があずさの腰のあたりに集まったような感じになる。
「…あ、…あっ…、はぁぁ…」
 やがて、ゆっくりと全身の力が抜けて、あずさはぐったりとなった。
「気持ちよかった? あずさ」
 あずさへの呪縛をといて、博樹がいつものようにやさしく声をかける。
「うん…、…すごく…、…すごくよかった…」
 まだ薄いブルーの下着を着けたままだが、全身は汗で濡れ、パンツはあずさ自身の出した液でぐっしょりと濡れていた。あずさにしては珍しく、今日はものすごく乱れた感じだった。
「まだ、出来るか?」
「…うん、…もっと、…もっとして。博樹お兄ちゃん」
「あぁ、わかった」
「…今日は、私が誘ったんだもん……。博樹お兄ちゃんが満足してくれるまで、わたし、変になっちゃってもいいから、がんばるもん…」
「よし、わかった」
 にこっとわらったあずさに、ちゅっとフレンチキスをする。そして、パンツを片足だけ抜きとって、もう片方は脚に残しておく、お決まり。
「ちょっと待ってな…。着けるから…」
「今考えると、…別に着けなくてもいいよ…」
「妊娠しちゃうぞ」
「別にいいもん。博樹お兄ちゃんの子なら」
 あずさがにこっと笑う。
「はは、ありがと。…でもな、社会的な責任ってのがあるからな」
「…うん」
 あずさの頭を撫でて、ほっぺたにキスをする。そして、ベッドのすぐ傍らにある小さなケースからコンドームを取り出して、手早くそれを着ける。
「入れるよ」
「……うん、いいよ……」
 ゴムをつけ最大限までに復活している博樹のモノを、あずさの秘部に添えつける。モノと秘部がふれあうだけで、ふたつが吸い寄せられるようにくっつく。そして、そのままゆっくりと挿入する。
「あ、…あはぁ、あぁぁっ……」
 ぬぷぬぷぬぷっと、博樹のモノがあずさの中へと飲み込まれていく。
「入ったよ」
「うん、…ゴムつけると、やっぱりちょっと違うね…」
「あぁ…。なんだか、入れやすいかもしれない」
「わたし、生でしてくれる方が好きなのに…」
 あずさの、ちょっと残念そうな顔。正月明けくらいに何度か着けてしたが、やっぱり入れやすかったような気がしたのだ。
「オレもその方がいいけど、…でもな、まだ生理が始まった頃だと、月イチって安定してないからな。しばらくは着けような」
「…うん、わかった…」
 今回だって、初めてが来て、年明けには止まったのだが、また1週間前は始まった。だいたい28日で来るとか言うけど、まだあずさのころは半月で来たり、2ヶ月来なかったりと不安定なのだ。
「安定したらな、安全日とかに生でしてあげるから。…でも、そのころはたぶん結婚してるだろうけど…」
「えへへ、…そうだね」
 ふたりがくすっと笑う。
「よし、…動かすよ」
「うん」
 ゆっくりと引きぬいて、再び入れる。
「はわ…、はぁぁぁぁ…」
 あずさのまだ狭い膣内を押し分けて、愛液に絡まされながらモノが奥まで通じる。ゆっくりとした動きだが、あずさも少し感じている様子。
「はぁ…、ひゃぅぅ…、あんっ…」
 しばらく、ゆったりとした動きを繰り返す。
「大丈夫か? なんだか、苦しそうだけど」
「だ、大丈夫だよ…。く、苦しいんじゃなくて、…気持ちよくてすごくいいんだよ…」
 博樹も安心して、そのまま動かしつづける。
「はぁ…、はぁ…、はぁ…」
 もうすでに息も絶え絶えのあずさ。まだ小さなからだを壊さないよう、ゆっくり、やさしく動かし続ける。
「あっ……、あっ……、あっ……」
 博樹が動かすごとに、吐息が漏れる。そのスピードを、だんだん早くしていく。
「あっ…、…あんっ…、あぅんっ」
「あずさ、きもちいいか?」
「あふっ…、う、…うん、…きもちいいよ…」
 あずさの腰に添えていた手を胸へと移し、あずさの胸を隠しているブラジャーを上へとずらす。そして、その胸にやさしく触れ、あずさの中を突いてかき回していく。
「ひゃぁ…。あっ…」
 胸からの快感も混ざり、あずさの気持ちよさもさらにアップする。
「ひ…、あ…、あっ! …あぁんっ!」
 博樹がモノを突き動かすたび、あずさの中から愛液があふれ、結合部から流れ出していく。
「ひ、博樹お兄ちゃん…、ごめん、…もう、きちゃいそう…」
「も、もうちょっと我慢してくれ、あずさ…。オレも、一緒にいきたいから…」
 一度いったあとにすぐ挿入したので、あずさの感度も相当あがっていて、早く来てしまったみたいだ。博樹があずさに追いつくために、思い切って自分のペースで腰を動かし始める。
「あっ! そ、…そんな、そんなに激しくしちゃぁ…、あぁっ!」
 博樹が激しく腰を動かす。愛液が溢れ出し、あずさとの交じり合う音が部屋に響く。
「だ、だめっ、…あはっ! …んくぅぅっ!」
 あずさがぐっと我慢して、いきそうになるのを一生懸命我慢する。からだ中に流れる電流のような快感を受けながら、博樹の攻撃を必死に耐える。
「あ、あずさ、…オレも、そろそろきたっ…」
 博樹があずさのからだに倒れこみ、あずさの頭をきゅっと抱える。そして、そのまま腰を動かしつづける。
「あっ、あっ、あっ! だ、だめ、…我慢できないよぉ…、いっちゃう、いっちゃうよぉ…」
「お、オレも、…もうちょっとでっ…」
 ぐっぐっとあずさの中に博樹のモノを押しこむ。あずさが、きゅうきゅうとモノを締め付ける。
「だ、だめ…、いっちゃうよぉ、…あぁんっ! だめぇっ!」
 あずさが耐えきれず、大きく声を上げて頂点へと達する。
「くはっ、…あ、あずさっ!」
 ぎゅっとモノを締めつけられた博樹も、あずさをぎゅっと抱きしめたまま頂点へと達した。


「今日は、ずいぶん積極的だったな」
「えへへ、変だった?」
「いんや、そう言うあずさもいいかな、とは思った」
 ベッドに横たわって、ふたりがパンツだけ着けてお話をする。あずさは、さっきまではいていたのはもうぐっしょりと濡れていたので、普段の白いパンツを着けている。
「こないだね、そこの資料いっぱい読んで勉強したんだよ。それで、こないだ買って来た新しいブラジャーとか博樹お兄ちゃんに披露する時に、してみよっかなって思ったんだ」
「ふーん、そっか」
「ね、今日はちょっと違った感じだったでしょ」
「ま、あずさだからいいけどな」
 博樹があずさの頭をなでなでして、きゅっと抱きしめる。
「ね、博樹お兄ちゃん」
「ん? なに?」
「キスして」
「あぁ」
 きゅっと抱きしめあったままふたりがキスする。愛情いっぱいの、ふたりらしいキス。
「ふわぁぁ…、いけんなぁ…。眠くなって来た…」
「お昼寝にはいい時間だと思うよ…。いっしょにお昼寝しよっか?」
「そうだな、…そうするか」
 博樹が毛布をかけて、あずさを優しく抱き寄せ目をつぶる。
「……ぐぅ…」
「…もう寝ちゃった、博樹お兄ちゃん」
 激しかった今日のこと、すぐに眠れても無理はない。
「…これからもよろしくね、博樹お兄ちゃん」
 あずさが博樹のほっぺたにキスをして、あずさも目をつぶった。


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