・「くりえいた〜」
・第5話「3月 心も体もぽっかぽか」


 とあるビルの中にある、ソフトメーカー「PAC−2」の事務所。その中の、第2開発室。現在の通称は「おおかみ班」。なんで「おおかみ」かというと、現在のメイン企画担当が原画の大牟田(おおむたやすいし)と総指揮・メインシナリオの上川(博樹)だから、頭を取って「おおかみ」班。ちなみに、博樹のペンネームは「カミカワひろ」を使っている。まんま、である。
「石井、そっちの進み具合どう?」
「…すまん、停滞中」
 博樹のスペースのむこう側で、ここ最近ずーっとうんうん唸っている、サブシナリオ担当のブングル石井(ペンネーム)。3ヶ月前に、別のメーカーから移籍して来た人員で、この手のゲームのシナリオは初めてなので博樹が面倒を見ている。
「博樹ぃ。最近、おまえシナリオ推敲多くないか?」
 隣のスペースから大牟田がやって来る。手にはMO、遊びに来たわけじゃ無さそうだ。
「…そうか? そんなシナリオは変わってないと思うけど」
「いや、その〜。エロシーンに濃密な推敲がされてる気がする。前のシナリオから比べると、…ずいぶん生々しいような気もする…」
「…そう?」
 平静を装い、実はちょっとドキドキしている博樹。確かに、シナリオの中でもえっちシーンの書き方が変わり始めているかもしれない。理由は、…あれ以来だ。
 博樹とあずさは、週末にえっちな事をするようになっていた。平日は博樹の帰りが遅かったり、あずさは学校があったりするのでほとんどしないのだが、そのぶん休みの日や前日にしている。しているといっても、まだ入れているわけじゃないし、やっていることは最初とまったく変わっていない。でも、ふたりともそれですごく満足できてしまうのだ。言ってみれば、スキンシップのひとつなのかもしれない。
「…なんかあっただろ」
「…いや、べつに」
 大牟田のツッコミにも、平静を装う博樹。
「んで、そのMOはなんか用か?」
「あぁ、そうそう。さっき高城からイベントCGあがってきたけど、こんなもんでいいのか?」
 博樹にMOを渡す。MOをパソコンに突っ込んでファイルを開いて確認する。
「ふむ、ヤス的にはどうよ?」
「髪のボリュームがイマイチ足らん気がする」
 博樹が机の上においてある紙を見て、改めて画面を見つめる。
「…なぁ、この絵。よくよく考えたら構成変じゃない?」
「…そうか?」
「いや、この部分に使う絵にしてはだなぁ…」
 そう言って、シナリオのファイルを取り出して二人で画面を覗きこんでやりとり。
「…あ〜、確かに、微妙に変だなぁ」
「何で気付かんかったんかなぁ、これ」
「仕方ない、書きなおすか」
 大牟田が隣の自分のブースへ引っ込んで3分後。
「なにぃぃ〜っ! まじでぇ」
 CG担当、高城情熱(ペンネーム)の悲鳴が聞こえてきた。まぁ、確かに出来あがったCGを「原画段階からやりなおしね〜」なんて言われた日にゃぁ、悲鳴だって上げたくなるわなぁ…。
「許せ、高城」
 博樹はぼそりとつぶやいた。
「あのぅ、上川…」
「ん?」
 石井がスペースの壁から身を乗り出してくる。
「このストーリー構成は、この流れで解釈していいのか?」
「いや、ちょっと違って、ここは…、こんな感じ」
 紙に書いてあるチャートに、ふたりで議論。
「あ、そういう事か。わかったわかった。サンクス」
 カミカワひろ、こと、上川博樹。しばし、自分の仕事を進めてしまう。
「おい、上川」
「なに…、…あ、…社長」
 博樹が振りかえると、PAC−2の社長、後藤がのっそりとした顔をして立っていた。この社長、作者ではないが、ワケのわからなさがたまらない変な人である。昔は、とある編集部に勤めていて、98のエロゲーのレビューを書いたりしていたらしい。
「そろそろ世に言う終業時間だぞ。週末だし、帰ったらどうだ?」
 時計はもうすぐ5時半。一般的な会社の早いところは、もう仕事が終わっているだろう。
「いえ、早めに仕事進めておくつもりですし、石井の面倒も見なきゃいけないですから」
「早めに仕事って、おまえ順調過ぎるくらいの進みかただぞ」
 となりの大牟田が、ぼやくくらい。
「みのう班(第1開発室)のゲームと同じ位の進み方だもんなぁ、博樹だけ」
 後ろを通りすがった高城が、同じくぼやく。
「いや、いくらなんでもそこまでは進んでねえだろ〜」
 大牟田が突っ込む。ちなみに、第1開発室のゲームは今年4月に発売。マスターアップ目前。それは早過ぎ。っていうか、そこまで早くない。
「…石井の面倒くらい、オレでも見れる。それに、…週末くらい早く帰ったらんと、寂しがるだろう」
「は?」
 博樹は、目をまんまると大きくして言った。
「かわいい女の子がいるんだから、早く帰ってやれ」
「え? あ? は?」
 博樹、狼狽。
 博樹が、あずさと一緒に暮らしているというのはあまり公言していない。知っているのは、大牟田と総務担当くらい。しかも、詳しい事を知っているわけではない。
「オレは、総務担当から聞いたわけじゃねえぞ」
「…な、な、な、…なんか知ってるんですか、社長…」
「さ〜ぁな」
 意味深な笑顔を残して、博樹の隣に座る社長。
「やったのか?」
 どががががっ!
 立ち上がろうとした博樹が、社長の一言で激しく転倒する。
「な、な、何をですか…」
「愚問か…」
 社長が、にやりと笑って言う。
「ほれ、さっさと帰らんかい。かわいい女の子が心配するぞ」
「え、あ、は、はぁ」
 博樹は非常に困惑しながらも、あとを社長に任せてそそくさと帰路へついた。
「オレとあいつのことは、…とーぶん黙っておくけどな」
 社長は、博樹の背中を送ってぼそっとつぶやいた。
「あれ? 博樹のやつ帰ったんですか?」
 大牟田が、いつのまにかいなくなったことに気付き、社長に聞く。
「あぁ、オレが帰した」
「…いいな〜」
「だったら早め早めにやっとかんかい」
 社長、後藤はぼやいた。


「ただいま〜」
 7時ちょっと前、家に着く。事務所から家までは、電車で1時間かからないくらいのところにある。
「あ、お、お帰り。博樹お兄ちゃん」
 な〜んか、妙に慌てた感じで、パソコンのある部屋から顔だけ出したあずさ。…なにか、顔がちょっと紅潮した感じ。今日は帰る電話を入れてなかったから、ちょっとびっくりしたんだろうが…。
「…あ〜ずさ」
 少し考えた博樹は、なんとなくの予想をつけて、ちょっと足早にパソコンのある部屋へと入る。
「あ、ひ、博樹お兄ちゃん…」
 なんか、妙に怪しく慌てるあずさ。パソコンの画面を見ると。
「…くすっ、やっぱりな」
 エロゲーのエロシーンが、画面いっぱいに映し出されている。
「な、何でわかったの?」
「なんでって、あずさの顔見たらだいたいわかるぞ。オレを誰だと思ってるんだ?」
 と、笑っていう博樹。あずさの少しほてっていた顔が、かぁっと赤くなる。
「ごめんな。今週末は、ゆっくり出来るから」
「…うん」
 頭を撫でられたあずさは、顔を赤くしたまま恥ずかしそうにうなずいた。
「で、…どれ先にする?」
「え、どれ、…って?」
「ごはんとおふろと、…えっち」
「…ひ、博樹お兄ちゃん。いきなりな事言わないでよぉ」
 あずさが、まだ赤い顔のまま博樹に恥ずかしそうに言う。
「じょーだんだ。でも、…ここんとこ、ちょっと物足りなかったのはホントだろ?」
 こくんと、あずさがうなづく。博樹の忙しさもあってか、やっぱり体を重ねる(ソフトだが)ことを覚えた体に、自分一人では物足りないのは当たり前だろう。しかも、年頃の女の子である。
「ごめんな」
 ほっぺたにちゅっとキスをする。あずさの顔が、さらによりいっそう真っ赤になる。いったい、何段階赤くなるんだろうか? かわいい、まだまだうぶな少女、である。
「さて、ご飯、まだなんだろ? 久しぶりにいっしょに作ろうか」
「…うん!」
 とりあえず空腹を満たすため、久しぶりにふたりがそろって台所にたった。


「あとかたづけ終わったよ」
「おし、ゆっくりしようか」
 博樹がお風呂の準備をして、あずさが食器を片付けてしまう。リビングに座って、ふたりが寄り添ってのんびりとしたひととき。
 なでなで。
「ふに?」
 なでなで。
「…博樹お兄ちゃん?」
「ん? なに?」
「どうしたの? ずっとあたま撫でてるけど」
「んー、かわいいな〜と思って」
 また、顔が赤くなるあずさ。こういうところがすごくかわいいと、博樹は思う。
「…そういえばさ」
「うん」
「あずさが見てたシーン、お風呂のシーンだったな」
「…うん」
 博樹が帰ってきたときの話。確かに、ゲームの画面は、お風呂の中でしているシーンだった。
「もう半年もいっしょに暮らしてるのに、まだ1回も一緒に入ってないもんなぁ」
「…そういえばそうだね」
「今日は、一緒に入るか?」
「…ちょっと恥ずかしいけど、…うん、いいよ」
「恥ずかしいったって、何度も見てるんだぞ」
「今だって、…博樹お兄ちゃんに見られるのはすごく恥ずかしいんだよぉ。それに、…お風呂はまた違うし…」
 博樹に身を預けて、ちょっと恥ずかしそうに言うあずさ。
「ま、今くらい恥ずかしくないとな。長いんだし、この先」
「…えへへ。そうだね」
 ほどなくして、風呂にお湯を張ったことを知らせる電子音が鳴る。
「よし、入るぞ〜」
「うん」
 ひとりだと十分な広さの洗面所兼脱衣所も、ふたりだとちょっと狭い。
「…うにゅ」
「どした?」
「博樹お兄ちゃんがいると、ちょっと恥ずかしくて着替えにくい…」
「脱ぐのを見られるのはまた別、ってやつか?」
「…うん」
 とはいいつつも、おずおずと服を脱いでいくあずさ。博樹も脱いでしまうと、お風呂場の中に入る。すぐに、あずさも恥ずかしそうに入ってきた。
「…なんか違うなぁ」
「…なにが?」
「…なんか、…すごいそそる」
「ふにぃ」
 ただ場所がお風呂なだけで、あずさのはだかもちょっと違って見えるから、シチュエーションと言うものは恐ろしい。博樹のモノも、ひくひくと反応をはじめている。
「あずさ」
「なに…? うきゃぁ!」
 博樹の横に座ったあずさに、頭からお湯をぶっ掛ける。
「はい、もういっかい」
「ひゃぅぅ!」
 ばっしゃぁん!
 自分もお湯をかぶって、あずさの体を持ち上げていっしょに湯船へいれる。
 ざぶん。
「あぅぅ、博樹お兄ちゃんのいじわる…」
 博樹のお湯奇襲攻撃からやっと立ち直ったあずさが、ちょっと泣きそうな目をする。
「わるいわるい。ちょっといじわるしたかったんだ」
 湯船の中であずさの体を引き寄せて、濡れた頭を優しく撫でる。
「…ふに」
 あんまり大きくない賃貸マンションの湯船。博樹の上に、あずさがちょこんと乗っかっている。博樹からすれば、あずさを後ろ抱きにした状態。あずさの、女の子のぷにぷにとした肌の感触が、すごく気持ちいい。
「…博樹お兄ちゃん…」
 あずさが、恥ずかしいのと、ちょっと困ったのと、やや好奇心も入った声を出す。
「ん? なに?」
「…なに、じゃないよぉ…」
 あずさのおしりに、博樹の大きくなったモノがしっかりと押し当てられている。
「これか?」
 博樹が腰をくっと押して、あずさのお尻のわれめにモノを押しつける。
「…あぅ…、そ、そうだよ…」
「あずさがかわいくてしょうがないからな」
 そう言って、モノを今度はあずさの脚の間からぴょこんと出す。
「ちょ、ちょっと、…博樹お兄ちゃん」
「はは、あずさのものみたいだな」
「…うにゅう、…ひゃん!」
 困ったような顔をしたあずさにキスをして、今度は胸を優しく触り始める。
「んっ…、や、博樹お兄ちゃん…」
「気持ちいい?」
「うん…」
 しばらく、お風呂の中であずさの胸を触る。ふにふにの胸が、すごく心地よい。
「はぁっ…、…すごく熱いよぉ」
 普通に入ってればちょうどいい温度なんだろうが、こういう事をしているとゆで上がってしまう気がする。
「よし、上がってしよっか?」
「うん、…ありがちなことするの?」
「あぁ、ありがちなことだ。ソープランドごっこ」
 湯船から上がって、ひとつしかない椅子を端っこにやっておいて、床に直接座る。
「…そのまえに、頭だけ洗っとこうな」
「うん、きゃうっ!」
 また、奇襲。
「うぅっ、博樹お兄ちゃん、3回もやるなんてひどいよぉ」
「ま、いいだろ」
 シャンプーを手につけて、まずあずさの頭をしゃわしゃわと洗う。
「…頭洗ってもらうのって、幼稚園の時以来かもしれないよ」
「オレなんか、ひとの頭洗うの初めてだぞ」
 あずさのショートカットの頭を、ちょっと優しく洗う。
「…うっしょ」
 あずさも、シャンプーを手につけて博樹の頭へ手を伸ばす。
 わしゃわしゃわしゃ…。
「…なんか、あずさに洗ってもらうのって、…すごく妙な気分だな」
 あずさと博樹。正面向いて互いの髪を洗う。もちろん、博樹にはあずさのはだかも一本の筋も見事に見えてるし、あずさには博樹のピーンと立っているモノがはっきりと見えている。
「うっし、じゃあ、するぞ」
「うん、しよ」
 シャワーで髪の泡をしっかりと流して、あずさの髪の毛を優しくかきあげてやる。
「あ…」
「どうしたの?」
「いや…、あずさが、…すごくかわいく見えた…」
 髪をかきあげたとき、あずさの紅潮した濡れた顔ととろんとした目が、ものすごくどきんとするような表情になっていた。お湯で濡れた素肌は、乾いた素肌とは違った雰囲気がある。
「んっ…」
 濡れたお風呂場の床にぺたんと座ったあずさ。唇と濡れた体を重ねる。
「するぞ」
「うん…。気持ちよくしてね…」
 博樹が、ボディーソープのノズルを外して、あずさの体にかける。
「ひゃっ、冷たい!」
 あずさがくすっと笑いながら、自分でボディーソープを泡立てていく。まんま、ゲームの知識である。博樹も、自分の手に取ると、泡立ててあずさの体を触った。
「きゃははっ、博樹お兄ちゃん、くすぐったいよっ!」
 泡だらけの体を、博樹の手でぬるぬると触られたあずさが、おもわず声を上げる。
「ひゃはぁっ、博樹お兄ちゃん。くすぐったい、くすぐった…、ひゃぁっ、…ひゃんっ…、あふぅっ」
 その笑い声も、何気なく変わっていく。くすぐったくなくなったのではなく、博樹が胸へ手を添えたからだ。
「はぁっ、あんっ! 博樹お兄ちゃん!」
 小さな乳首はぴんと起ち、泡だらけの胸をぷるぷると攻められるあずさ。その泡だらけの手で、体中をさすっていく。
「ひゃわぁ…、あんっ!」
「くすぐったいの?」
「う、ううん。そうじゃなくて、…あ、ぁ、変なの…。ちょっと、…気持ちいいかも…」
 わき腹やわきのくすぐったい所を触られると、さっきはくすぐったいだけだったのに今は不思議と気持ち良さも感じてしまう。そんなあずさを見て、博樹は素質があるんだろうな、と感じた。
「あ…、んんっ…」
 ボディーソープをたっぷりとつけた手を、あずさの秘部へと添えてゆっくりと動かす。
「あはぁっ、あっ、…すごい、気持ちいい…」
 泡だったボディーソープが、さながらローションのような働きをして、あずさの秘部をあっという間にぬるぬるにしていく。そのぬるぬるが、あずさにとってとてつもない快感を与える。
「ふわぁ、あっ、…博樹おにいちゃん…」
 博樹の手には、泡立ちかたの違うぬるぬるとした液も感じられる。ボディーソープの音だけではない、くちゅくちゅとした音がお風呂場に響き、博樹を、あずさ自身を高ぶらせていく。
「や、ぁ、ぁ…」
 あずさの体は、ボディーソープで泡だらけになっている。その泡だらけの姿が、異様にいやらしい。
「気持ちいい?」
「う、うん…、気持ちいいよぉ。…すごい、いいよ…、あわぁっ」
 泡だらけの体を、太股からわきから背中まで、ぬるぬるの博樹の手が滑る。小さな背中を、少しずつ成長している胸を、起ちあがったピンク色の小さな突起を、すべすべのおなかを、真っ白な恥丘を、つるつるの秘部を、口を開いて呼吸をはじめた秘口を、少し細身できれいな太股を。博樹は、やさしく、かつ、いやらしく触っていった。
「ひ、ひろ、博樹お兄ちゃん…」
「どうした?」
「も、もう、わ、わたし…」
 博樹にもたれて、されるがままになっているあずさが、ちょっと泣きそうな声を上げる。
「いっちゃいそう?」
「う、うん…、も、もう、…が、がまんできないよ…」
「いいよ、オレの手でいってほしいな」
 博樹は、右手を秘部に添えて指をゆっくりと淫らに動かしながら、左手は胸を中心に体中を優しく滑らせる。
「あっ、そ、そんな、…あ、…も、もう、…だ、だめだ、よ、ぉぉっ…」
 途切れ途切れの声を出して、あずさの快感が最上限まで達していく。
 博樹は、左手で胸をちょっと強く揉む。ぷるぷるとした弾力のある小さな胸が、いやらしく形が変えられる。秘部から発せられるくちゅくちゅという淫らな音も、激しく、大きくなっていく。
「ふぁ、あぁ、あぁっ!」
 博樹の背中に回したあずさの腕にぎゅっと力が入り、あずさのからだが軽く反りかえる。そして、ぴくん、と、からだが脈動し、ぷるぷると震えながら頂点へ達した。
「あずさ…、ん…、んん?」
 博樹が秘部に添えた右手に、なにか妙な感覚を感じて、そこを見る。
「あ、…あずさ…」
 泡を流すように、あずさの秘部から水らしきものが流れはじめた。
「…ふぇ、…あ、あっ…」
 あずさの気付いたときにはもう遅かった。ちょろちょろっと出たあずさのおしっこは、博樹の手にかかって、床へと流れ落ち、ほんの5秒程度で止まった。
「…あ、…あ、…ご、ごめんなさい…、博樹お兄ちゃん」
 上気だった表情のまま、真っ赤な顔で言うあずさ。まだ、いった余韻が残っている。
「…気持ちよすぎた? もしかして」
 博樹は、ちょっと驚いたものの、あまり気にしていない顔で言った。
「うん…。ご、ごめんね。…その、気持ちよすぎて、…がまんできなくて、その、…出ちゃった…」
 赤くなった顔をさらに赤くしてあずさは言う。その顔からは、お風呂の中なのに湯気が出てきそうなほどだった。
「…いや、…オレはいいもの見れてうれしいけどな。気にするな。ありがと、あずさ」
 ちゅっとキスをする。初めて見る、あずさのおしっこ。博樹としては、ちょっとしたロマンだった。ただ、博樹にはもしかして…、というのもあったが。
「あぅぅ、…感謝されちゃうと、…ちょっと、…困っちゃうよ」
 困ったような、恥ずかしそうな顔をするあずさ。
「さて、…まだするからな」
「う、うん…」
 いったんお湯で博樹の手と秘部を流してから、落ちてしまった泡を再び付けるため、博樹がボディーソープを直接あずさの恥丘へかける。
「ひゃぁぁっ、あっ、そんな、…ひ、博樹お兄ちゃん」
 いった余韻が残っている中、博樹が泡立てるためを口実にあずさの秘部をちょっと激しくこする。同時に、からだも泡がしぼまないように撫でていく。
「はぁぁっ、あっ、あっ、だ、だめ、だよ。…そんなぁ、…はげしくしない、で…」
 博樹がはじめてそんなに経っていないのに、あずさはぐんぐん高ぶってレベルが上がっていく。
「あっ、あっ! あんっ! ひゃわ! あっ!」
 泡だった秘部をうごめく、博樹の指と手。
「おしっこかけられたおしおき、だ」
 博樹が、少し微笑んで言う。
「そ、そんなぁ、あっ、あっ!」
 あずさには、もう限界が近い。
「と、とめ、止めて、ひ、博樹お兄ちゃん…。も、もう、…だめ、だ、から…」
 博樹の腕を掴もうにも、気持ち良すぎてからだが思うように動かない。
「あっ、だ、だめぇ、だめぇっ!」
 さっきよりも激しく、こんどはびくびくとあずさのからだがうごめく。
「あ、あぁぁ、…あっ」
 ようやく掴んだ博樹の腕を持ったまま、あずさは小さな体を大きく動かして、快感の中にいた。今回は、おしっこは漏らさなかったみたいだ。
「はぁ…、はぁ…、はぁ…」
 からだ中泡だらけにしたまま、あずさは放心状態になっていた。
「ほら、あずさ。…今度は、あずさがオレを気持ち良くしてくれるか?」
「う、…うん」
 今度はあずさが自分自身で、ボディーソープを体中に塗りたくる。まだとろ〜んとした顔、いった余韻がまだまだ残っている。そんな顔で体中を泡立てるのは、かわいらしさがあるのとともに、なにかそそる。
「…ゲームみたいに、するの?」
「うん、…好きなようにしていいぞ」
 あずさは、自分の体を博樹の体にくっつけると、ゆっくりと体を擦り合わせた。
「はぁ…、こ、…こうでいいの?」
「うん、いいぞ。気持ちいいよ」
 博樹が微笑むと、あずさもちょっと恥ずかしそうに微笑む。あずさのぷにぷにとした肌の弾力が気持ちいい。
「こ、…こんな事していいのかな…?」
 あずさは博樹の腕を持つと、自分の脚の間にはさみ、ゆっくりと腰を前後に動かした。
「う、…な、なんか、…すごいいいぞ、それ…」
 博樹の腕に、あずさの秘部のやわらかさと、ふともものやわらかさのふたつが伝わる。ソープランドそのまんまである。
「あ、…やだ、…私が気持ちよくなってきちゃった…」
 博樹の腕を挟んだまま、紅潮したあずさが腰を動かす。ボディーソープの泡とともに、博樹の腕に違うぬるぬるとした液体も塗られる。
「何度でも気持ちよくなっていいよ」
 博樹が腕をぐっと持ち上げると、あずさが少し宙に浮く。
「あはんっ!」
 あずさの声が、お風呂場に響く。
「よし、あずさ。おいで」
 博樹がお風呂場に寝転んで、あずさをその上に乗っける。
「き、…気持ちいい? 博樹お兄ちゃん…」
「あぁ、いいよ。あずさのからだ、…すごく気持ちいい」
 博樹の体の上を滑る、あずさの泡だらけのからだ。行ったことはないが、ソープランドでは絶対に味わえないであろう、こんなのは。
「はぁ…、はぁ…」
 あずさが身を起こして、博樹のモノの上にまたがる。あずさのぷにっとした秘部が、博樹のモノにくっついている。
「あ、…あずさ…。それ、…すごくいいぞ」
 秘部でモノを前後にしごく。ぬるんとした感覚が、博樹にも、あずさにも快感を与えつづける。
「はわぁ、…わ、わたしも気持ちいいよぉ…」
 何かこりっとした感触があるのは、秘部の先にある芽、だろう。あずさは博樹の腰にまたがって、一心不乱に腰を振る。ふたりともその光景に夢中になる。
「あ、…あずさ」
 博樹が身を起こして、あずさを寝かせる。
「あ、やぁ、…博樹お兄ちゃん…」
 両足を大きく開かれたあずさは、何の抵抗もなく博樹に従う。
「はぁっ、あ、あずさっ」
 博樹自身の手によって大きく脚を開かれたあずさは、ものすごくいやらしく、興奮する光景だった。開いた筋に、きらきらと濡れているやわらかそうな陰唇がある。博樹は、自分のモノをあずさの秘部に添えると、今度は博樹が素股をはじめる。
「あ、はぁ、あ、…博樹おにいちゃぁん…」
 博樹のペースで、素股をされるあずさ。さっきよりも早いペースに、どんどん高ぶっていく。
「はぁ、…はぁ、…あずさぁ…」
「ひ、博樹お兄ちゃん、…い、いい、…いいよぉ…」
 博樹のモノが割れ目の上を通るたび、ボディーソープと、あずさと博樹の液が混じり、白く泡を立てる。
「はぁぁ、あぁ…」
 勃起したあずさの芽がモノでこすられるたびに、あずさはぴく、ぴくと体を動かす。ほんのわずかな感覚なんだろうが、体中に電流のようになって伝わる。
「ふ、…は、あ」
 ふたりとも、体の泡はそのまま、素股に夢中になる。ふたりとも、性器をくっつけていると言うだけで興奮するのに、一連のこんなことをしているものだから、長く続くはずがない。
「だ、…だめだ…。…あずさ、…い、いっていいか…?」
「う、うん、…わたしも、…もうがまんしたくないよぉ…。い、いかして、…博樹お兄ちゃん…!」
 博樹は、モノの先端だけをあずさの秘部に入れる。入れると言っても、陰唇が博樹の先っぽをほんの少し包む感じ。その状態で、博樹は円を描くようにかき回す。
「あ、だ、…だめ、…そ、そんなことされたら、…も、もうわたし…」
「あずさ、…あ、あずさっ」
 先に身を縮ませる博樹。
「くっ…」
 白濁の液が、あずさの秘部に撒き散らされていく。
「あんっ! んくぅぅ…」
 それに続いて、あずさもビクンと体を大きく脈動させた。
「…は、…ぁ、…はぁ」
「はぁ…、あぅぅ…」
 ものすごい汗をかいている博樹とあずさ。そのままの状態で、ふたりとも放心状態になる。あずさの秘部は、大量の真っ白な液体と、あずさの出した愛液、そしてお風呂場のお湯とボディーソープが交じり合い、異様な光景になっていた。


 しばらくたったお風呂場からは、喘ぎ声ではなくふたりが仲良く話をする声が聞こえてくる。
「博樹お兄ちゃん、ゲームの進み具合どうなの?」
「順調だぞ。今日も、社長から帰れって言われたくらいだからなぁ…」
「へへ、よかったね。だから、…今日はこんな事出来たんだよ」
 湯船に仲良くならんで、ふたりが楽しそうに話をする。
「…しっかり暖まっとけよ。さっきので、体冷えちゃっただろうし」
「そうかなぁ? すごく熱かったよ、わたしは。…心はあったかいけどね」
「そっか、それはオレも同じだな」
 博樹が、横にいるあずさの頭を撫でる。さっき洗った髪の毛。シャンプーの匂いが、ほのかににおってくる。
「今日の夜は、…どうしたい?」
「…へへ。いっぱいしちゃったから、今日はもういいよ。すごい長風呂だしね…」
「うん。オレも、…実はけっこう疲れた」
「えへへへ。…でも、楽しかったし、…きもちよかったよ」
「そっか、ありがとな。あずさ」
「うん、ありがとね。博樹お兄ちゃん」
 あずさの方から、博樹にキスをする。
「…よっしゃ、今日はしないけど、いつも通りふたりでいっしょに寝ような」
「うん。博樹お兄ちゃんの抱き枕かな、わたし」
「極上の、な」
「えへへへ」
 ふたりはしばらく、のぼせかけるまで話をした。
「実際、のぼせるかと思った」
「…うん」
 ふたりの、談。


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